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肉を食べているが「肉食に嫌悪感を抱く人」
オムニヴォア(肉やその他の食品を食べる人)、フレキシタリアン(肉を食べる量を減らそうとする人)など、食べ物について一定のルールを自身に課している人が居ます。が、肉を食べる人の中にも、肉に嫌悪感を抱いている人もいます。
“It’s important to note that our study does not establish causation – so further research is needed to find out whether meat disgust causes people to eat less meat, or whether avoiding meat allows these negative emotional responses to develop or be expressed.”
参照元:https://www.exeter.ac.uk/research/news/articles/somemeateatersdisgustedby.html
– エクセター大学 University of Exeter. 7 May 2021 –
新しい研究によると、肉を食べる人の中には、肉に嫌悪感を覚える人がいます。
エクセター大学の科学者たちは、オムニヴォア(肉やその他の食品を食べる人)、フレキシタリアン(肉を食べる量を減らそうとする人)、ベジタリアンを含む700人以上の人に食べ物の写真を見せました。
その結果、肉を食べる人の約7%(フレキシタリアンの15%、オムニボアの3%)が、ローストチキンやベーコンなど、英国でよく食べられている肉料理の画像に「かなり強い嫌悪感」を覚えました。
また、雑食動物は、パンやチップス、米などの炭水化物を多く含む食品の画像と比較して、平均して約2倍の嫌悪感を感じていました。
今回の結果を受けて、研究者らは、肉を食べるのを控えたい人にとっては、意志の力に頼るよりも、「嫌悪因子」を利用する方が効果的かもしれないと述べています。
エクセター大学のエリサ・ベッカー氏は話します。
「肉をいつも食べている人でも、こんなに多くの人が肉に嫌悪感を抱いていることに驚きました。今回の結果では、これらの人々がなぜ肉を食べるのかを説明することはできませんが、習慣や家族、文化的な伝統などが関係している可能性があります。肉食は、持続不可能で、不健康で、非倫理的であるとの見方が強まっており、多くの人が肉食を減らしたいと考えています。肉の摂取量を減らそうとするなら、意志の力だけでは不十分かもしれませんが、”yuk factor “を利用するのは良い方法かもしれません。」
この研究に参加した711人の被験者(オムニヴォア402人、フレキシタリアン203人、ベジタリアン106人)は、それぞれアンケートに答え、「肉への嫌悪感」のレベルを調べるために、本能的な反応を測定する高速応答のタスクを受けました。
また、「肉が好き」かどうかも調べました。
オムニヴォアの約75%、ベジタリアンの20%以上が、肉に対してかなり強い好意を持っていることがわかりました。
肉に対する嫌悪感が「かなり強い」と判定されるためには、6つの肉のイメージを、嫌悪感のスライディング・スケールで「まったくない」よりも「とてもある」に近いと評価し、さらに、迅速反応課題で肉に対する嫌悪感の証拠を示す必要がありました。
フレキシタリアン(肉の摂取量を減らそうとしている唯一のグループ)では、肉の嫌悪感は、自制心(別のアンケートで測定)よりも、肉食の減少を予測する要因となりました。
また、肉の嫌悪感は、その後6カ月間の摂取量の減少と関連していました。
エクセター大学のナタリア・ローレンス教授は話します。
「今回の情報が、人々の肉食を減らすための新たな介入方法の開発に役立つことを期待しています。すべての人が肉の摂取量を減らしたいと思っているわけではありませんが、そういった人のために、楽しい方法で嫌悪感の力を利用できるようなコンピュータタスクを研究しています。今回の研究は因果関係を証明するものではありませんので、肉の嫌悪感が人々に肉を食べる量を減らす原因となっているのか、あるいは肉を避けることでこのような否定的な感情反応が発達したり表現されたりするのかを明らかにするには、さらなる研究が必要です。」
ベッカー氏は話します。
「興味深いことに、ほとんどすべての人が時々、肉に対する嫌悪感を経験しています。例えば、見慣れない肉や、リスの肉や牛の心臓のように普段食べない動物の部位を使った料理を見たときなどです腐った肉を食べることは、ちょっとしたニンジンを食べるよりもはるかに危険であるため、人間は肉に対する嫌悪感を進化させてきたのかもしれません。」
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