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アイデアを創出する人数「少人数のグループのほうが新しいアイデアが出やすい」
頭のいい人が大勢集まって意見を出し合えば、良質なアイデアが生まれるわけではないようです。
科学の世界では、少人数のグループが大きなアイデアを生み出す可能性があるようです。
it is exactly these small groups that are more likely to discover emerging topics,
参照元:https://www.tsukuba.ac.jp/en/research-news/20220121141500.html
– 筑波大学 University of Tsukuba. Jan 21, 2022 –
研究開発では、常に新しいトピックが生まれ、成熟し、収束していく。静かに消えていくものもあれば、イノベーションの根本的な原動力となるものもあります。
研究機関としては、新しいテーマの開発を奨励したいところですが、少人数の科学者グループにとっては、実績のないアプローチに時間を費やすのはリスクが高いと言えます。
たとえ新しいテーマが重要だとわかっても、より多くのリソースを持つ大規模な研究グループがそれを利用する可能性があり、一部の研究者はそれ以上の探求を思いとどまるかもしれません。
しかし、筑波大学の研究者たちが最近発表した『Scientometrics』誌によれば、このような小規模なグループこそが、新しいトピックを発見する可能性が高いとのことです。
研究者らは、PubMedのデータとキーワードをクラスタリングし、生命科学と医学における過去と現在の新たなトピックを特定しました。
そして、1970年から2018年の間に出版された関連論文の著者リストを用いて、個々の研究者がこれらのトピックにどのように関わっているかを調べました。
本研究の主執筆者である大庭亮介教授は話します。
「私たちは特に、後にエマージングキーワードとなった特定の研究キーワードに研究者が最初に注目し始めた時期をキーとしました。また、その後の彼らの活動も追跡しました。」
その結果、特に2000年以降、論文あたりの著者数が増加していることがわかりました。
また、過去40年間、新しいキーワードは、そのテーマで繰り返し論文を発表する少数の著者によって生み出される傾向があることもわかりました。
1990年代以降は、論文数の少ない小規模なチームが、高性能なエマージングキーワードを含むトピックを生み出す鍵となり、2002年以降は、そのようなキーワードを生み出したチームが、同じトピックについて継続的に成果を報告することが多くなっています。
大庭亮介教授は話します。
「このような変化の多くは、ヒトゲノムプロジェクトが完了した頃に起こりました。」
1990年代後半までは、遺伝子を特定し、操作することで、興味深く、新しい発見をすることができました。
これに対し、現代の「ポストゲノム時代」では、計算技術や大規模解析、ナノスケール解析など、新しく開発された手法で古いテーマを再解析する研究に注目が集まり、より多くの研究者が必要とされるようになったのである。
この研究チームの成果の一つの解釈は、科学における新しいアイデアの開発において、小規模な研究チームと大規模な研究チームでは果たすべき役割が異なるということです。
大規模なグループには多くの利点がありますが、大庭教授は、新しいテーマを生み出し、それを育てる小規模な研究グループを保持することは、最終的に研究のイノベーションを推進する上で重要であることに変わりはないと強調しています。


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