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「職場に有益」作業の小中断(ちょっといい?)
職場などで、作業を中断してくる同僚の行為は生産性の低下などを招き、使用者にも従業員にも不快な事が多いです。が、実はこのような作業の小中断は、職場の帰属意識を高める効果があるようです。
A new study finds that these interruptions are beneficial to a sense of belonging and can counterbalance negatives such as lost productivity.
参照元:https://www.uc.edu/news/articles/2021/08/uc-led-reserach-shows-workplace-interruptions-create-a-sense-of-belonging.html
– シンシナティ大学 University of Cincinnati. August 3, 2021 –
オフィス環境で働いている人なら、よくあることです。
プロジェクトの真っ最中に、同僚が立ち寄って仕事を手伝ってくれと頼んだり、新しく飼った子犬の写真を見せてくれたりするのです。
このような場合、気が散ったとため息をついてはいけません。
新しい研究によると、このような中断は帰属意識を高めるのに有益であり、生産性の低下などのマイナス要因を打ち消すことができるそうです。
シンシナティ大学を中心に行われたこの研究は、Journal of Applied Psychology誌の印刷版に掲載される予定です。
仕事中の中断には、ストレスレベルの上昇やエネルギーの低下といったマイナス面がある一方で、プラス面もありました。
従業員は自分の居場所があると感じ、それが結果的に仕事の満足度を高めることにつながったのです。
本研究の筆頭著者であるイリノイ大学シカゴ校経営学部助教授のHarshad Puranik博士は話します。
「過去1年間の社会的な距離の取り方や孤立が何かを示しているとすれば、人間は社会的な存在であり、他者との交流を本質的に必要としているということです。」
この研究では、111名の正社員を対象に、1日2回、3週間にわたって調査を行いました。
調査では、職場での経験(昼食時の調査では始業時から、終業時の調査では昼食時から)について、仕事の中断、精神的な消耗度、帰属意識、総合的な仕事の満足度などを尋ねました。
研究者らは、仕事の中断は中断された従業員の精神的リソースを奪い、それによって仕事の満足度を低下させる一方で、中断者との社会的交流は従業員の帰属意識を高め、それが仕事の満足度の向上につながることを発見しました。
Puranik氏によると、これまでの研究では考慮されていなかったのは、他者による仕事の中断には、タスクベースの側面のほかに、社会的な要素(中断者との社会的相互作用)が含まれているということです。
Puranik氏は続けます。
「今回の研究では、同僚との社会的交流の場を提供することで、仕事の中断が帰属意識の向上につながることがわかりました。この帰属意識が、より高い仕事の満足度につながるのです。」
この研究の大部分は、Puranikのカリフォルニア大学博士論文の一環として、カリフォルニア大学カール・H・リンドナー・ビジネスカレッジの元カリフォルニア大学教員2名とともに行われました。
現在はテキサスA&M大学に在籍するJoel Koopman氏と、ジョージ・メイソン大学に在籍するHeather C. Vough氏です。
Vough氏は話します。
「対人関係の観点から見ると、仕事に気を取られていても、他の人が話しかけてきたり、質問したりすると、人は自分の居場所があるように感じるのです。「帰属意識は、仕事の中断による仕事の満足度への悪影響を軽減しました。」
このように、仕事中の中断は、人間的な要素を考慮していないために、悪い評価を受けているのかもしれません。
歴史的にマネジメントは仕事の中断をなくす方法に重点を置いてきたので、本研究は中断に対処するための代替案を提案しています。
例えば、従業員がいつ、どこから仕事をするか、どのように仕事のスケジュールを組むかをもっと自由に選択できるようにすることです。
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