
新着記事
男女の賃金格差に影響?「幼少期の無報酬の家事手伝い」
男女の賃金格差が取り沙汰されていますが、幼少期の無報酬の家事手伝いと相関があるようです。
Young women and girls’ time spent in unpaid household work contributes to the gender pay gap, according to new research from the Universities of East Anglia (UEA), Birmingham and Brunel.
参照元:https://www.uea.ac.uk/news/-/article/gender-pay-gap-linked-to-unpaid-chores-in-childhood
– イースト・アングリア大学 University of East Anglia. 22nd Jul 2022 –
イースト・アングリア大学(UEA)、バーミンガム大学、ブルネル大学の新しい研究によると、若い女性や少女が無償の家事労働に費やす時間が男女の賃金格差に寄与していることが明らかになりました。
この研究では、子どもの頃に家事育児を負担することで、その後の女性の就労に影響を与え、研究対象国における既存の不平等格差に拍車をかけていることが示されています。
この研究は、「成人後期の雇用における男女格差に対する、女子の長時間無報酬労働の寄与」です。
Evidence from Ethiopia, India, Peru and Vietnam “が、本日、雑誌『Feminist Economics』に掲載されました。
研究チームは、インド、エチオピア、ペルー、ベトナムの12,000人の子どもの人生を追跡した子どもの貧困に関する縦断的コホート研究「Young Lives project」のデータを調査しました。
インドのサンプルデータは、アンドラ・プラデシュ州とテレンガナ州からのものです。
研究チームは、8歳から22歳までの子どもたちの生活を追跡し、あらゆる有償労働、あらゆる部門(農業を含む)への雇用参加、雇用形態、賃金を分析しました。
ユニセフによると、女子は男子より40%多く家事に時間を費やしています。
家事労働の不平等な分担は、少女にとって大きな影響 を与え、必要な労働の量を形成する水道水へのアクセスな ど、より大きな不平等と結びついています。
家事労働の量と性質は、女子の学校への参加に影響し、勉学の時間を減らし、その結果、将来の雇用機会を制限する可能性があります。
UEAのニコラス・バシラコス博士は話します。
バシラコス博士:有給労働におけるジェンダー不平等を解決するための政策は、幼少期のアンペイドワークを考慮する必要があります。若者の雇用への投資は開発課題の中心であり、2030年までにすべての人にディーセント・ワークを、という国連の持続可能な開発目標を各国が達成するのに役立つでしょう。
家事への不平等な参加は若い頃から始まり、時間の経過とともに差が広がり、ジェンダーの軌道を示唆しています。
バーミンガムビジネススクールの労働経済学教授であるフィオナ・カーマイケル教授は、次のように述べています。
カーマイケル教授:無報酬の家事労働時間が長いと、女の子の勉強時間が減るため、雇用機会が制約され、将来の人生が制限される可能性があります。
これは、家事労働の割合が多いことによる女性の介護負担が、子供の頃から始まっていることを裏付けています。
22歳の時点で、すでに雇用参加に男女差がありました(男性85.72%対女性70.64%)。
さらに、女性の時給は1.46米ドル/時間で、男性の1.77米ドル/時間より有意に低い(p=0.001)。
バーミンガム大学応用ビジネス・労働経済学講師のクリスチャン・ダルコ博士は話します。
ダルコ博士:家事労働は仕事の質(仕事の種類と収入の両方)と負の相関があります。
ブルネル大学ロンドン校の人的資源管理学教授であるシリーン・カンジ教授は、次のように述べています。
カンジ教授:男性に比べて、女性の雇用は、選択の余地や必要性によってより大きく左右されるようで、高給で質の高い雇用の機会が少ないことが特徴的です。
しかし、この研究では、12歳のときに親が高い志を持っていた少女は、22歳のときに高給の仕事に就く可能性が高いことがわかりました。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!
関連記事
新着記事
-
行動障害を引き起こす慢性的なストレス2023.01.29人体・脳
-
機嫌で変わる言語処理2023.01.28人体・脳
-
若々しさを促進する「運動」2023.01.27健康
-
免疫機能の低下「夫婦不仲」2023.01.26健康
-
食よりも効果のある「総摂取カロリーを減らす」2023.01.25健康
-
腸を守る「教育」2023.01.24健康
-
歩行や自転車を楽しむ人の特徴「自分の住んでいる地域が好き」2023.01.23健康
-
出生率の低下は「子供を持ちたいという願望の減少」ではない2023.01.22社会
-
うつ病リスク軽減「他者からのサポート」2023.01.21健康
-
メラノーマの発症が少ない「ビタミンD定期摂取者」2023.01.20健康
よく読まれている記事
N E W S & P O P U L A R最 新 記 事 & 人 気 記 事
WHAT'S NEW !!
-
行動障害を引き起こす慢性的なストレス
【行動障害を引き起こす慢性的なストレス】 慢性的なストレスは快楽を喪失させ、抑うつなどの行動障害を引き起こすようです。 It's clear that chronic stress can impa... -
機嫌で変わる言語処理
【機嫌で変わる言語処理】 気分が悪い時、言語処理にどのような影響があるかアリゾナ大学の研究者たちが調査しました。 When people are in a negative mood, they may ... -
若々しさを促進する「運動」
【若々しさを促進する「運動」】 運動は若々しさを促進することを裏付ける研究結果が発表されました。 A recent paper published in the Journal of Physiology deepene... -
免疫機能の低下「夫婦不仲」
【免疫機能の低下「夫婦不仲」】 「夫婦は似てくる」と日本では言われていますが、コミュニケーションが不良である夫婦は免疫脳低下などの特徴が見られたようです。 A t...
-
なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか
【なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、手書きの方が物事をよく覚えることが判明しました。 様々なコンピュ... -
大面積有機フォトダイオードに置き換わる?「シリコンフォトダイオード技術」
【大面積有機フォトダイオードに置き換わる?「シリコンフォトダイオード技術」】 ダイオードと言うのは、光検出器の事で光が入射されるとエネルギーを生むというデバイ... -
「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測
【「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測】 ベイズ統計学を用いると、最長寿記録122歳という世界記録はほぼ確実に破られ、125歳から1...
News
- 新着記事 -
Popular
- 人気記事 -
H A P P I N E S S幸 福
人気 (❁´ω`❁)
M E A L食 事
B R A I N脳
人気 (❁´ω`❁)
H E A L T H健 康
人気 (❁´ω`❁)
-
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)
【満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)】 リポカリン-2(LCN2)ホルモンの摂取により、食物摂取を抑制し満腹度が高まる事は、マウス実験で知られていましたが、ヒト科...
-
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)
【満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)】 リポカリン-2(LCN2)ホルモンの摂取により、食物摂取を抑制し満腹度が高まる事は、マウス実験で知られていましたが、ヒト科...