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身体所有権の構築過程「バーチャルリアリティを使って身体意識を学ぶ」
自身の身体の事を、意識はどのように捉えているのでしょうか。
身体所有権の回復の仮定を、バーチャルリアリティを用いて検証しました。
But now, researchers from Japan have uncovered new information that challenges previous theories about the relationship between two elements of consciousness.
参照元:https://www.tsukuba.ac.jp/en/research-news/20211202140000.html
– 筑波大学 University of Tsukuba. Dec 02, 2021 –
科学者や哲学者たちは、何世紀にもわたって意識の本質について考えてきました。
しかし今回、日本の研究者たちは、意識の2つの要素の関係について、これまでの理論を覆すような新しい情報を発見しました。
iScience誌に掲載された研究で、筑波大学の研究者たちは、身体的自意識の認識が歪んだとき、身体所有権の回復が異なる種類の記憶によって予測されることを明らかにしました。
身体的自己意識は、感覚情報と身体に関する心的表現が統合される発達過程で生じるもので、特に身体所有とエージェンシー(自分の行動を自由にコントロールできるという感覚)の関係と関連していると言われています。
しかし、身体所有権や主体性がどのように形成されるのか、また、損傷後にどのように回復するのかについては、ほとんど知られていませんでした。
本研究の主著者である井澤淳教授は話します。
「身体的自意識がどのように時間的・動的に変化するかを明らかにすることは、その発達過程を理解する上で非常に重要です。具体的には、課題遂行における適応的な回復の速さが、記憶の適応的な調整と身体的自意識のさまざまな側面の回復との関係を明らかにすることができます。」
研究チームは、バーチャルリアリティ環境で被験者が物体を握っている間、視覚的な歪みを誘発することで、身体の所有権と代理権の認識を低下させました。
そして、一連の試行の中で、被験者がどのように自分の動きを歪みに適応させ、把持作業を行う能力を回復させたかを観察しました。
井澤教授は説明します。
「身体所有権の回復は速い記憶プロセスと関連し、代理権の回復は主に遅い記憶プロセスと関連することがわかりました。」
このように、視覚運動の歪みにさらされた後、身体所有権と代理権は同時に回復したが、この回復は、異なる時間経過を伴う2つの異なる記憶更新システムに基づいていたと考えられます。
井澤教授は続けます。
「今回の結果は、身体所有権と代理権が自己意識の異なる階層に存在するとする従来の枠組みを覆すものです。今回の結果は、ボディオーナーシップとエージェンシーが自己意識の異なる階層に存在するという従来の枠組みを覆すものです。」
これまでの研究では、身体所有権と主体性は異なるものであり、因果関係がある可能性が指摘されていました。
しかし、今回の新たな情報は、この2つの感覚の関係がそれほど単純ではないことを示しています。
むしろ、身体的自意識の変化は、さまざまな時間スケールの複数の運動記憶プロセスの相互作用に依存している可能性があります。
この情報は、病気や怪我の後に自意識を回復させることを目的とした治療法の開発に役立つ可能性があります。


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