
新着記事
食の合図は意識・無意識両方の影響を受ける
食事が開始された!という脳への合図は、意識・無意識両方の神経プロセスの影響を受けるようです。
Controlling your food intake can be even more difficult than you think. Osaka Metropolitan University scientists show that visual food cues can affect your eating behavior even when you are not aware of them.
参照元:https://www.omu.ac.jp/en/info/research-news/entry-20846.html
– 大阪府立大学 Osaka Metropolitan University. Jan 10, 2023 –
食事量をコントロールすることは、思っている以上に難しいことです。
大阪府立大学の研究者らは、視覚的な食物の合図は、意識していなくても食行動に影響を与えることを示しました。
彼らの発見は、PLOS ONEに掲載されました。
肥満は生活習慣病を構成する主要な病態の一つであり、心筋梗塞や脳卒中、発がんとの関連性が知られています。
肥満を抑制するために、食行動を規制するアプローチが広く行われていますが、食事指導を受けた人の約半数が5年以内に元の体重に戻ることが報告されています。
このような指導の効果が限定的であることを説明するために、食事指導が対象とする意識的な神経過程だけでなく、無意識的な神経過程も食行動の制御に重要な役割を果たすという仮説があります。
しかし、この仮説の妥当性を神経活動のレベルで直接検証した研究はありませんでした。
今回、大阪府立大学大学院医学研究科の吉川隆浩教授らの研究チームは、脳の前頭葉のうち摂食行動を司る下前頭回という領域で、視覚的な食物刺激、すなわち食物画像を意識的に提示したか無意識的に提示したかによって、神経活動が異なることを明らかにしました。
研究チームは、質問票を用いて被験者を評価した結果、この違いが、感情的な食事や認知的な食事摂取の抑制などの食行動の得点と関連していることを発見しました。
これらの結果は、無意識と意識の両方の神経プロセスを考慮しなければ、食行動を理解できないことを示しています。
吉川教授は話します。
吉川教授:今後の研究で、食行動が無意識的な神経プロセスによって制御されていることをより詳しく知ることができれば、その理解と現在の意識的な神経プロセスに関する知識を組み合わせることで、食行動を制御するためのより効果的な方法を開発できる可能性があります。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!
関連記事
新着記事
-
行動障害を引き起こす慢性的なストレス2023.01.29人体・脳
-
機嫌で変わる言語処理2023.01.28人体・脳
-
若々しさを促進する「運動」2023.01.27健康
-
免疫機能の低下「夫婦不仲」2023.01.26健康
-
食よりも効果のある「総摂取カロリーを減らす」2023.01.25健康
-
腸を守る「教育」2023.01.24健康
-
歩行や自転車を楽しむ人の特徴「自分の住んでいる地域が好き」2023.01.23健康
-
出生率の低下は「子供を持ちたいという願望の減少」ではない2023.01.22社会
-
うつ病リスク軽減「他者からのサポート」2023.01.21健康
-
メラノーマの発症が少ない「ビタミンD定期摂取者」2023.01.20健康
よく読まれている記事
N E W S & P O P U L A R最 新 記 事 & 人 気 記 事
WHAT'S NEW !!
-
行動障害を引き起こす慢性的なストレス
【行動障害を引き起こす慢性的なストレス】 慢性的なストレスは快楽を喪失させ、抑うつなどの行動障害を引き起こすようです。 It's clear that chronic stress can impa... -
機嫌で変わる言語処理
【機嫌で変わる言語処理】 気分が悪い時、言語処理にどのような影響があるかアリゾナ大学の研究者たちが調査しました。 When people are in a negative mood, they may ... -
若々しさを促進する「運動」
【若々しさを促進する「運動」】 運動は若々しさを促進することを裏付ける研究結果が発表されました。 A recent paper published in the Journal of Physiology deepene... -
免疫機能の低下「夫婦不仲」
【免疫機能の低下「夫婦不仲」】 「夫婦は似てくる」と日本では言われていますが、コミュニケーションが不良である夫婦は免疫脳低下などの特徴が見られたようです。 A t...
-
なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか
【なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、手書きの方が物事をよく覚えることが判明しました。 様々なコンピュ... -
大面積有機フォトダイオードに置き換わる?「シリコンフォトダイオード技術」
【大面積有機フォトダイオードに置き換わる?「シリコンフォトダイオード技術」】 ダイオードと言うのは、光検出器の事で光が入射されるとエネルギーを生むというデバイ... -
「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測
【「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測】 ベイズ統計学を用いると、最長寿記録122歳という世界記録はほぼ確実に破られ、125歳から1...
News
- 新着記事 -
Popular
- 人気記事 -
H A P P I N E S S幸 福
人気 (❁´ω`❁)
M E A L食 事
B R A I N脳
人気 (❁´ω`❁)
H E A L T H健 康
人気 (❁´ω`❁)
-
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)
【満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)】 リポカリン-2(LCN2)ホルモンの摂取により、食物摂取を抑制し満腹度が高まる事は、マウス実験で知られていましたが、ヒト科...
-
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)
【満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)】 リポカリン-2(LCN2)ホルモンの摂取により、食物摂取を抑制し満腹度が高まる事は、マウス実験で知られていましたが、ヒト科...