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関連性のない記憶を結び付ける「連想記憶を司る細胞」発見

匂いと場所、歌と出来事など、関係のないもの同士の関係を記憶する能力は、「連想記憶」と呼ばれています。
研究者たちは脳の記憶中枢の中に、新しい連想記憶を獲得する役割を果たす特定の種類のニューロンを発見しました。

specific types of neurons within the memory center of the brain that are responsible for acquiring new associative memories.

参照元：https://news.uci.edu/2021/09/22/new-research-sniffs-out-how-associative-memories-are-formed/
– カリフォルニア大学アーバイン校 University of California Irvine. September 22, 2021 –

連想記憶が形成される仕組みを「嗅ぎ分ける」新研究

焼きたてのチョコチップクッキーの香りに誘われて、祖母の家で過ごした午後の時間を思い出したことはありませんか？

また、古い歌を聴くと、初めてのデートの記憶がよみがえったことはありませんか？

匂いと場所、歌と出来事など、関係のないもの同士の関係を記憶する能力は、連想記憶と呼ばれています。

心理学者が連想記憶の研究を始めたのは1800年代のことで、ウィリアム・ジェームズ氏は1890年に発表した古典「The Principles of Psychology（心理学の原理）」でこの現象を説明しています。

今日では、連想記憶の形成に関与する構造が、脳の「記憶の中枢」として有名な側頭葉内側にあることは科学者の間で認められていましたが、どのような細胞が関与しているのか、またその細胞がどのように制御されているのかは、これまで謎でした。

カリフォルニア大学アーバイン校の神経科学者たちは、脳の記憶中枢の中に、新しい連想記憶を獲得する役割を果たす特定の種類のニューロンを発見しました。

さらに、これらの連想記憶ニューロンがどのように制御されているかを発見しました。

私たちは日常的に連想記憶を利用しており、今回の研究は、このような種類の記憶が脳内でどのように形成されるのか、その詳細なメカニズムを理解する上で重要なステップとなります。

研究代表者の五十嵐圭氏は話します。

「連想記憶は、私たちの日常生活で最も基本的な記憶の形態の一つですが、連想記憶のメカニズムはまだ明らかになっていません。」

本研究では、内側側頭葉の外側内嗅皮質に存在する「ファン細胞」と呼ばれる特定の細胞が、新しい連想記憶の獲得に必要であること、また、これらの細胞が、快楽や報酬の経験に関与することで知られる脳内化学物質であるドーパミンによって制御されていることを、初めて「Nature」誌に発表しました。

今回の研究では、マウスが特定のにおいと報酬を結びつけることを学習する際に、電気生理学的記録とオプトジェネティクスを用いて、ファン細胞の活動を記録し、制御しました。

その結果、ファン細胞は、匂いと報酬という関連性のない2つの新しいアイテムの関連性を計算し、表現していることがわかりました。

このファン細胞は、新しい連想記憶の獲得を成功させるために必要な細胞です。

この細胞がないと、事前に学習した連想は取り出せるが、新しい連想を獲得することができません。

さらに、新しい連想の獲得にはドーパミンも必要です。

五十嵐氏は話します。

「私たちは、ドーパミンが記憶回路に関与しているとは思っていませんでした。しかし、証拠が蓄積されるにつれ、ドーパミンが関与していることが徐々に明らかになってきました。今回の実験は、私たちにとって探偵小説のようなもので、その結果に興奮しています。」

今回の発見は、記憶が脳内でどのように形成されるかを理解するための重要なピースであり、他の研究者が継続的に構築できる基礎となるものです。

連想記憶の能力は、アルツハイマー病などの神経変性疾患で低下することが知られています。

このような記憶が形成される神経生物学的なメカニズムを理解することは、アルツハイマー病における連想記憶能力の低下を遅らせる治療法を開発するための第一歩となります。

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