肥満は「重度の細菌感染症による死亡」を防ぐ

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肥満は「重度の細菌感染症による死亡」を防ぐ

多くの疾患では、体重過多や肥満がリスク要因となります。しかし今回、重度の細菌感染症で入院した患者の生存率は、BMIが高いほど高くなる可能性があるという研究結果が発表されました。

Åsa Alsiö, adjunct senior lecturer in infectious diseases at Sahlgrenska Academy and senior consultant in infectious diseases at Skövde, is the study’s first and corresponding author.

参照元:https://www.gu.se/en/news/obesity-protects-against-death-in-severe-bacterial-infection
– ヨーテボリ大学 University of Gothenburg. 20 May 2021 –

この研究は、Sahlgrenska Academy、University of Gothenburg、Skaraborg Hospital(Skövde)の研究者らによって行われ、このたびPLOS ONE誌に掲載されました。このデータは、COVID-19パンデミックの前に収集されたものです。

この集団研究では、SkövdeのSkaraborg病院で重症の細菌感染症の疑いで治療を受けた成人2,196人全員を9カ月間にわたって観察しました。

研究者らは、この研究集団の患者を、入院中および入院後に長期にわたって追跡調査しました。

その結果、生存確率の上昇は、短期的にも長期的にも、入院後28日目と1年目のそれぞれにおいて、BMI(body mass index)が高いことと関連していることがわかりました。

生存率の違いは明らかでした。

標準体重のグループでは、26%が1年以内に死亡しました。BMI値の高いグループでは、9〜17%でした。

これまでにも、限られた患者集団を対象とした調査では、同様の結果が得られていました。

今回の結果は、体重過多や肥満が重度の細菌感染症から身を守るという「肥満生存パラドックス」を明らかにし、確認するものです。

本研究では、Sahlgrenska Academyの感染症学の非常勤上級講師であり、Skövde大学の感染症学の上級コンサルタントであ筆頭著者であるÅsa Alsiö氏は話します。

「太りすぎや肥満は、他の多くの病気との関連で不利になります。これは、いくつかの種類のがん、心血管疾患、そして特にCOVID-19に当てはまり、BMIが高いほど死亡率が高くなります。逆説的ですが、ここでは逆のことが起こっています。」

「太っていることが細菌感染症の患者にどのような効果をもたらすのか、あるいは免疫系の機能やその制御に関係しているのか、などについては分かっていません。太りすぎが免疫系にどのような影響を与えるかについては、さらなる知見が必要です。肥満手術を受けている患者を対象とした研究も考えられます。」

Sahlgrenska AcademyのGunnar Jacobsson氏は、SkövdeにあるSkaraborg病院の感染症シニアコンサルタントであり、本研究の上級著者です。

Jacobsson氏は話します。

「COVID-19のパンデミックにより、脆弱な患者グループが浮き彫りになり、太った人が大きな打撃を受けています。重度の細菌感染症の患者に対するケアの経験や対処法は、COVID-19や太りすぎの患者の予後を改善するために利用できるのかもしれません。世界的に見て、肥満は憂慮すべきスピードで増加しています。体重が感染症に対する体の防御力にどのように影響するかを解明し、治療を個別に行えるようにするためには、より多くの知識が必要です。」

研究者らは、BMIがさまざまな感染症の治療成績にどのように影響するか、また、免疫系の制御とどのような関連性があるかについて、集団レベルでの研究をさらに進める必要があると考えています。

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