失敗しづらい計画を立てる方法
計画を立てる時は緻密に計算して時間を当て込んで・・・と、希望に満ち溢れている事が多いそうです。しかし、いざ実際行動に移してみると・・・。なぜ人々は、遂行できない目標を立ててしまうのか。また、『失敗しづらい計画を立てる方法』を、科学的に裏付けのある論を交えながら、紹介いたします。
計画を立ててる時、何かを決定しようとしている時、ヒトは何を考えている?
計画を立てる時、 何かを決定しようとしている時、 人は何を考えているのか? 人々が、「失敗する運命にある計画を立ててしまう」のはなぜなのか。 クイーンメアリー大学の研究チームの研究を紹介します。
Research led by scientists at Queen Mary University of London has provided new insights into why people often make unrealistic plans that are doomed to fail.
参照元:https://www.qmul.ac.uk/media/news/2020/se/psychologists-discover-secret-to-achieving-goals.html
計画を立てている時、 何かを決定しようとしている時、 人々が、 何に焦点を当てているかと言うとずばり、 『報酬』です。
- ピアノが弾けるようになりたいなぁ
- 夏までに○○キロ痩せたいなぁ
- あの車がほしいなぁ
などなど、
「○○が欲しい」、「○○になりたい」
人が計画を立てたり、何かを決定する多くの動機は
『報酬』です。
改めて問われてみれば、それは結構当たっているかと思います。
自分がしているアレやコレやソレ。
何のためにしているかと言うと、大体『○○を叶えるため』だったりします。
立てた計画を実行し始めた時、ヒトは何を考えている?
では今度は、 計画を達成させるための一つ一つのアクションをしている時、 人は何に焦点を当てているかと言うと、 「実行する必要のあるアクションの難易度や努力の量」だそうです。 例えば、
- 「夏までに○○キロ痩せる」目標のためにやっている、「毎日のウォーキング6000歩」
- 「特定の曲を弾けるようになる」目標のためにやっている、「毎日ピアノの練習3時間」
- 「特定の資格を取る」目標のためにやっている、「毎日業後4時間の勉強」
などの 「毎日ピアノの練習3時間」 「毎日のウォーキング6000歩」 「毎日業後4時間の勉強」 が、それに当たります。
クイーンメアリー大学で行われた実験
上記のように、 立案の段階、実行の段階で焦点を当てているものが違う。 クイーンメアリー大学が実験により、それを明かにしました。 実験参加者は、 身体的または、精神的努力をテストされました。 また、 難易度や量の高い努力、難易度や量の低い努力 金銭的報酬が低い、高いをオプションとして選択させられました。 その結果、 オプションを選択する時は、 参加者は金銭的報酬のレベルによって決定し、 実際のタスクを実行している時、 参加者のパフォーマンスは、 実行する必要のある実際の努力の量によって決定されました。
失敗しづらい計画を立てるには、報酬を目途にし過ぎてはいけない。
一種のパラドクスですが、
目標を立てる時は、
『報酬』を目途にし過ぎてはいけないようです。
「夏までに○○キロ痩せる」
「特定の曲を弾けるようになる」
「特定の資格を取る」
という計画を立てている時は、
「毎日ピアノの練習3時間」
「毎日のウォーキング6000歩」
「毎日業後4時間の勉強」
などの、
「実際に実行の必要のある努力の量や難易度」を
人は考慮しないのが理由です。
では実際に、『失敗しづらい計画を立てる』にはどうしたらいいか?
それは、
逆から考えると簡単です。
どんな内容ならば長続きするのか、から計画を立てるのが肝要
『報酬』を目途に計画を立てると、
『実際にアクションする難易度や努力の量』は度外視して考えるので、
計画はとん挫する可能性が高いです。
では、視点をがらりと変えて
『アクション』から『計画』を見てみるといいです。
人は特に疲れてくると、
「普段行っている」事しか実行できなくなります。
それはつまり、
「習慣」の事です。
人は疲れてくると、
新しいなにか、を実行できなくなります。
習慣化されたものがオートで行動に起こさせます。
例えば、
仕事で疲れてクタクタになったら、
「ジャージに着替えてウォーキング6000歩」
はできないけど、
「帰り道で買ったスイーツとコーヒーをどか食い(飲み)」は、
特に苦労することなくできる、
なんて人多いのではないでしょうか。
つまり、
「ジャージに着替えてウォーキング6000歩」
を『習慣化』させてしまえば、
特に苦労する事なく痩せていってしまう。
この理屈を乱暴に説明するとそういう事です。
習慣化するための科学テクニック
Society for Personality and Social Psychology によると、 人々の日常生活の約40%は、ほぼ同じ状況で毎日行われているそうです。 また、 安定した状況で特定の行動が繰り返されると、 習慣が形成されるそうです。
Wood calls attention to the neurology of habits, and how they have a recognizable neural signature. When you are learning a response you engage your associative basal ganglia, which involves the prefrontal cortex and supports working memory so you can make decisions. As you repeat the behavior in the same context, the information is reorganized in your brain. It shifts to the sensory motor loop that supports representations of cue response associations, and no longer retains information on the goal or outcome. This shift from goal directed to context cue response helps to explain why our habits are rigid behaviors.
参照元:https://www.spsp.org/news-center/press-releases/how-we-form-habits-and-change-existing-ones
人々が「習慣」を行っている時、 「大脳基底核」という脳の影響を受けます。 また、 人々が「習慣」を行っている時、 それは無意識で行われており、 目標と結果を脳に保持しないそうです。 では、『どのように習慣を形成するのか』 方法は3ステップです。
- 既存の習慣を狂わせるために、新しい環境に身を置く。
- ひたすら繰り返す。
- なにがなんでも必ずやる。
1に関しては、引っ越しをしたり転職をしたり・・・と、 思い切ったモノが一番効果的だそうですが、 それができない場合は、小さい事をまず変えると良いそうです。 2はひたすら繰り返すのですが、 「大脳基底核」に「習慣」を覚えさせるために必要な、 公式の日数は無いそうです。 ですが、概ね15日~245日とされています。 「習慣」が形成されるには、2週間以上は必ずかかるというわけですね。 3は言わずもがな、必ずやることです。 「それができないから習慣にならないんだよ・・・。」という、 嘆きが聞こえてきそうですが、 そんな人にアドバイスです。それは、 「何か必ずやるものと、セットでやってしまう」のが効果的のようです。
- 就寝前に歯磨きをしたら、ストレッチをする。
- トイレに行くために席を立ったら、ついでにコップ一杯水を飲む
などですね。
まとめ
道中を楽しもうと苦しもうと、 どこか遠くへ行ったり、山へ登ったりするには 一歩ずつ歩いていく他ありません。 そして道中では、 不慮の事故に遭ったり、病気になったりと、 必ずゴールにたどり着く保証というのは、 人生にはないようです。 それでも、 どこかへたどり着きたい、 なにかに到達したい、 という思いを現実の世界で表現するには、 一歩を踏み出して、 それを毎日やるしかないです。 毎日毎日重い腰を上げて、 「よっこいしょーーー!!!!」と気合を入れてやるのは大変ですので、 科学的に証明された技術を使って、 『習慣化』を身につけるのが一番かと思います。