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亜鉛は腎臓結石の成長を抑制するのか、促進するのか？

亜鉛が腎臓結石にどのような影響を与えるのかを解明する過程で2つの異なる説が現れ、それぞれが矛盾しているという不思議な事が起こりました。

One: Zinc stops the growth of the calcium oxalate crystals that make up the stones; and two: It alters the surfaces of crystals which encourages further growth.

参照元：https://uh.edu/news-events/stories/2021/june-2021/06142021-rimer-zinc-role-in-kidney-stones.php
– 米国ヒューストン大学 University of Houston. June 14, 2021 –

1つは、亜鉛が結石を構成するシュウ酸カルシウムの結晶の成長を止めるというもので、もう1つは、亜鉛が結晶の表面を変化させ、さらなる成長を促すというものです。

アメリカ化学会誌『Crystal Growth & Design』に掲載された、ヒューストン大学のエイブラハム・E・デュークラー教授（化学・生物分子工学）のJeffrey Rimer氏の報告によると、この2つの説はどちらも正しいとのことです。

Rimer氏は以下の効果を諸刃の剣と呼んでいます。

「亜鉛に見られるのは、これまでに見られなかったものです。亜鉛はシュウ酸カルシウムの結晶成長を遅らせると同時に、結晶の表面を変化させ、成長間欠の形で欠陥を生じさせます。この欠陥は、新しい結晶が核となって成長するための中心となります。」

腎結石は、患者数の増加に伴い、患者の苦しみや医療費の高騰を招いている病的な疾患です。

シュウ酸カルシウムの結晶はどこにでもありますが、自然界に最も多く存在するのはシュウ酸カルシウム一水和物（COM）であり、人間の腎臓結石にもこれが含まれます。

腎臓結石は、シュウ酸カルシウムとともに、無機塩や有機化合物（タンパク質など）が濃縮された尿の中で結晶化したり、くっついたりして、さまざまな硬さになったものです。

尿路を通過する際には激しい痛みを伴います。

今回、Rimer教授らは、試験管内での実験と計算モデルを組み合わせて、COMの結晶成長に対する亜鉛の影響を解明しました。

Rimer教授は話します。

「私たちが研究室で使用している技術は、腎臓結石の形成を防ぐための新しい方法を特定する手段として、これらの複雑なシステムの全体像を把握し、分解することを可能にするものです。これらは、尿中のさまざまな成分がどのように結晶の成長を制御しているかを、ほぼ分子レベルで理解することができるツールです。」

COMにおける亜鉛の2つの役割に関するRimer教授の発見は、原子間力顕微鏡を用いた測定により、亜鉛イオンが結晶表面の終端を変化させるユニークな能力を持っていることが確認されました。

研究チームは、亜鉛がCOMに与える影響を、マグネシウムなどの類似のイオンと比較しました。

Rimer教授は話します。

「尿中によく含まれるマグネシウムなどのイオンを使ったらどうなるだろうかと考えましたが、答えは「無」でした。亜鉛が大きな影響を与えるのに対し、マグネシウムはほとんど影響を与えませんでした。これは、さまざまな化学種の性質の微妙な違いが、結晶表面との相互作用に影響を与えることを示す素晴らしい例です。」

この論文の筆頭著者は、Rimer氏の元博士課程の学生で、現在はフィリピン大学ディリマン校の教授であるBryan G. Alamani氏である。

Rimer氏は、西オーストラリア州パースにあるカーティン大学のJulian Galeとも共同研究を行っています。

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