「報酬系ではなくもともと備わっている」美しい景色を美しいと感じる脳

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「報酬系ではなくもともと備わっている」美しい景色を美しいと感じる脳

美しいものを見た時、脳の報酬系が活動していると考えていました。
が、脳の視覚領域にすでに美的信号が存在していることがわかりました。

We would have expected the aesthetic signals to be limited to the brain’s reward systems, but surprisingly, we found them already present in visual areas of the brain while the participants were watching the videos.

参照元:https://www.aesthetics.mpg.de/en/the-institute/news/news-article/article/how-the-brain-paints-the-beauty-of-a-landscape.html
– マックス・プランク研究機構 Max-Planck-Gesellschaft 22. July 2021 –

自然の美しさはどのようにして得られるのでしょうか?

美しい風景を目にすると、脳の報酬系が刺激されることはわかっています。

しかし、脳はどのようにして視覚的な信号を美的な信号に変換するのでしょうか?

なぜ私たちは、山の景色や通り過ぎる雲を美しいと感じるのでしょうか?

マックス・プランク経験美学研究所の研究チームは、この問題を取り上げ、私たちの脳が、単に風景を見るだけでなく、その美しさを感じるまでにどのような過程を経るのかを調べました。

研究チームは、24人の被験者に芸術的な風景映像を提示しました。

そして、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、映像を見て評価しているときの被験者の脳活動を測定しました。

この研究成果は、オープンアクセスジャーナル「Frontiers in Human Neuroscience」に掲載されました。筆頭著者であるA. Ilkay Isik氏は次のようにまとめています。

「美的信号は、脳の報酬系に限られると考えていましたが、驚くべきことに、被験者が動画を見ている間に、脳の視覚領域にすでに美的信号が存在していることがわかりました。活性化は、シーンの配置や動きの有無など、映画の物理的特徴を認識するために配置された脳領域のすぐそばで起きていました。」

上席研究員のEdward Vessel氏は、これらのシグナルは、初期の美の知覚の要素を反映しているのではないかと考えています。

Vessel氏は話します。

「予想を超えたものを見たとき、脳組織の局所的なパッチがポジティブな感情の小さな「原子」を生成します。このような驚きのシグナルが視覚システム全体に多数存在すると、それが積み重なって美的感覚が得られるのです。」

本研究は、美についての理解を深めるだけでなく、自然環境との相互作用が人間の幸福感にどのように影響するかを明らかにするのにも役立つと考えられます。

本研究成果は、臨床医療や人工知能など、知覚と感情の関連性が重要視されるさまざまな分野で応用できる可能性があります。

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