Tweet

Pocket

文章に織り込まれた絵文字は「同音異義語のようには捉えられない」

私たちは絵文字を文章に使用します。そして、それを容易に理解します。
有意差は認められないものでしたが、絵文字を使用した文章の方が理解力が高まる結果もあります。

Emoji are generally less recognisable and more unusual, and therefore not as easy to read as written words.

参照元：https://news.rub.de/english/press-releases/2021-11-11-linguistics-how-we-understand-emoji
– ルール大学ボーフム校 Ruhr-University Bochum. 11 November 2021 –

この研究は、ルール大学ボーフム校（RUB）ドイツ研究所のデジタルフォレンジック言語学担当助教授であるタチアナ・シェフラー博士と、ポツダム大学およびベルリン・シャリテ大学の研究者との共同研究で行われました。

夜に輝く騎士

絵文字は、日本で生まれた小さな画像アイコンです。

日本語の “e “は絵、”moji “は言葉を意味しています。

タチアナ・シェフラー博士は話します。

「私たちは、絵文字を読むことが、言葉を読むことや絵を解釈することにどの程度似ているのかを調べることを目的としました。」

「そのために、参加者は、いくつかの単語が絵文字に置き換えられた文章を読み、各単語の読解時間を測定するオンライン調査を行いました。その後、参加者が文章を理解しているかどうかを確認するための質問を行いました。」

研究者は、「我々が予想していた通り、また他の研究でも示唆されている通り、参加者は名詞の代わりに絵文字を使った文章を容易に理解しました」と指摘しています。

また、絵文字を使った文章では、絵文字を使っていない同じ文章に比べて、理解度を問う質問の正答率がわずかに高かった（ただし、有意差はない）。

しかし、通常の単語は、処理されている間に意味を導くだけではなく、発音など、読解中に活性化される他の特性も持っています。

例えば、「the knight」と「the night」のように、発音が同じでも意味が異なる単語があります。

研究者たちは、絵文字もこの現象を引き起こすことができるかどうかを調べたいと考えました。

タチアナ・シェフラー博士は話します。

「そこで、絵文字ではなく同音異義語を表示した文章を被験者に読んでもらいました。その結果、同音異義語が使われていても、ほとんどの場合、文章は正しく理解されることがわかりました。」

「これは、絵文字が、その発音に関する情報を含む完全な “辞書項目 “に分解できることを示しています。この情報に基づいて、参加者はもう一方の同音異義語の意味を導き出すのです。」

それでも、読み上げ時間にはかなりの差があることも示されました。

書き出した単語の平均読解時間は約450ミリ秒、対応する絵文字は約800ミリ秒、同音異義語が描かれた絵文字は900ミリ秒以上です。

画像による回り道にも時間がかかる

このことから、研究者たちは、絵文字を読む際には、まず画像を解釈する必要があると結論づけています。

絵文字は一般的に、認識しにくく、珍しいものであるため、書かれた言葉ほど読みやすくはありません。

タチアナ・シェフラー博士は話します。

「このことは、絵文字をよく使うと自認している被験者が、絵文字をより早く読んだことからも裏付けられます。」

「絵文字も単語と同じように発音を導き出すことができるので、同音異義語の絵文字も容易に理解することができます。しかし、視覚的な情報を抑えて同音異義語の意味を思い出す必要があるため、時間がかかります。」

「この場合、絵文字に慣れているかどうかは、もはや参考になりません。絵文字をよく使う参加者は、同音異義語の絵文字を他の参加者と同じようにゆっくりと読みました。」

タチアナ・シェフラー博士は、シャリテ大学のチームとともに、統合失調症を患う人々を対象に同様の研究を行う予定です。

統合失調症患者の中には、文字通りでない意味を識別することが困難な人もいるため、対照群との比較により、言語処理、文字通りでない意味の言語的構造、および統合失調症の言語的影響について、さらなる知見が得られるはずです。

Tweet

Pocket