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島皮質と背内側前頭前野 「不安を感じると活性化が増加する」

安全な環境で、口頭では「問題ない」と口にしていても脳内では不安がっていることがあります。
fMRIを用いて脳の活動を観察したところ、不安を感じる時、島皮質と背内側前頭前野の活性化が増加していました。

“The patients with an anxiety disorder could rationally say — I’m in a safe space — but we found their brain was behaving as if it was not.”

参照元：https://www.urmc.rochester.edu/news/publications/neuroscience/anxiety-cues-found-in-the-brain-despite-safe-environment
– ロチェスター大学メディカルセンター University of Rochester Medical Center. Nov. 12, 2021 –

あなたが草原で花を摘んでいると想像してみてください。

安全な花もあれば、中に蜂がいて刺されるような花もあることを知っています。

あなたはこの環境にどのように反応し、さらに重要なことには、あなたの脳はどのように反応するでしょうか？

これは、不安が脳に与える影響と、脳の各領域が相互に作用して行動を形成する仕組みを理解するために、研究者たちが使用しているバーチャルリアリティ環境での光景です。

ロチェスター大学デルモンテ神経科学研究所の助教授であり、Communications Biology誌に掲載された研究の筆頭著者であるベンジャミン・スアレス・ヒメネス博士は話します。

「これらの発見は、不安障害は、環境に対する認識の欠如や安全に対する無知以上のものであるかもしれないことを教えてくれています。不安障害の患者は、合理的に「私は安全な空間にいる」と言うことができますが、脳はそうではないかのように振る舞っていることがわかりました。」

不安を脳で見る

研究チームは、fMRIを用いて、一般不安や社会不安を抱えるボランティアが、バーチャルリアリティのゲームで花を摘んでいるときの脳の活動を観察しました。

草原の半分には蜂のいない花があり、もう半分には手に軽い電気刺激を与えると刺されてしまう蜂のいる花がありました。

研究者らは、すべての被験者が安全な場所と危険な場所を見分けることができましたが、脳スキャンの結果、不安を抱えるボランティアは島皮質と背内側前頭前野の活性化が増加していました。

スアレス・ヒメネス博士は話します。

「このような方法で識別学習を調べたのは初めてのことです。どのような脳領域を調べるべきかはわかっていますが、このような複雑な『実世界のような』環境で、このような活動の連携を示したのは初めてです。これらの結果は、患者が自分の体をコントロールできるようにすることに焦点を当てた治療法の必要性を示唆しています。」

これらの患者に見られた違いは、脳の違いだけではありませんでした。

例えば、不安の代用品である汗の反応も測定されましたが、明確な違いは見られませんでした。

スアレス-ヒメネスの研究

スアレス・ヒメネス博士の研究テーマは、脳が環境について学習する際の神経メカニズムの解明であり、特に脳が何が脅威で何が安全かを予測する仕組みについて研究しています。

スアレス・ヒメネス博士は、バーチャルリアリティ環境を用いて、不安障害や心的外傷後ストレス障害（PTSD）の神経シグネチャーを調査しています。

彼の目標は、人が経験に基づいて脳内のマップをどのように構築するか、そしてそのマップがストレスや不安などの精神病にどのような役割を果たしているかを理解することです。

他の疾患への研究の拡大

「今回の研究の次のステップとしては、今回の患者さんの脳で見つかったことが、PTSDなどの他の疾患でも同じように起こるのかどうかを明らかにする必要があります。安全な環境下での行動調節や感情の障害を特徴とする疾患間の相違点や類似点を理解することで、より個別化された治療法を生み出すことができます。」

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