音に違和感を感じる仕組み

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音に違和感を感じる仕組み

ボールを蹴った音、パソコンのキーを押す音等、私達の脳は「何が正しい音」かを知っています。そしてその判断をする仕組みが判明しました。

Whether it’s a car door not properly closed, a shanked kick in football, or a misplaced note in music, our ears tell us when something doesn’t sound right.

参照元:https://www.nyu.edu/about/news-publications/news/2022/october/-that-just-sounds-wrong–new-study-shows-how-our-brains-tell-us-.html
– ニューヨーク大学 New York University. Oct 24, 2022 –

車のドアがきちんと閉まっていない、サッカーで蹴られた、音楽で音がずれているなど、私たちの耳は、何かが正しく聞こえないときにそれを教えてくれます。

このたび、神経科学者チームが、「正しい音」と「間違った音」を区別する脳の働きを解明しました。

この研究は、会話や音楽演奏などの複雑な音声運動タスクを学習する仕組みについて、より深い理解をもたらすものです。

ニューヨーク大学神経科学センターの助教授で、Current Biology誌に掲載されたこの論文の筆頭著者であるDavid Schneider氏は話します。

Schneider氏:これは、音楽家や話すときに最も顕著ですが、ゴルファーがクラブがボールに接触する音を聞くときなど、実は私たちの脳は常にこのようなことをしているのです。私たちの脳は常に、その音が期待値と合っているか、外れているかを認識しているのです。今回の研究では、脳が、ある音がいつ起こるか、どのような音になるかを正確に予測することができることを発見したのです。

研究者たちは、日常的な現象をよりよく理解することに焦点をあてて研究を行いました。

例えば、私たちは車のドアを何度も閉めたことがあるため、その音がどのようなものであるかを知っています。

しかし、シートベルトを車のドアにかけたままドアを閉めようとすると、「ドン」という音ではなく、「ガチャン」という音がします。

野球のバッターが投じたボールを打つとき、ただ傾けるだけでなく正対して打ったり、音楽家がメロディを崩す音でなくメロディに合った音を聴くのと同じです。

しかし、脳がどのようにして「正しい音」と「間違った音」を区別しているのかは不明です。

この仕組みを解明することで、健康な脳が会話や音楽を習得する方法や、統合失調症などの神経障害で何がうまくいかないのかを知る手がかりが得られるかもしれません。

そこで、Schneider氏らは、マウスが車のドアを閉めるような作業をするときの神経活動を研究しました。

前脚でレバーを押し、車のドアを閉めるような動作をさせ、レバーが特定の位置に到達するたびに音を鳴らすよう訓練しました。

やがてマウスは、レバーがどのような音を出すのかを正確に覚えました。研究者が音を消したり、間違った音を鳴らしたり、正しい音を間違ったタイミングで鳴らしたりすると、マウスは人間が車のドアが予想外の動きをしたときと同じように、行動を修正したのです。

具体的には、脳の「聴覚中枢」のひとつである聴覚野で、神経細胞がどのように反応したかを記録しました。

その結果、レバーを押して予想される音を聞いたとき、これらの神経細胞はごくわずかな活動しかしていないことがわかりました。

しかし、音を間違った周波数に変えたり(車のドアの「ガチャン」という音に似ている)、音を出すタイミングを少しずらしたりすると、これらのニューロンは激しく反応したのです。

この研究の筆頭著者で、シュナイダー研究所の博士研究員であるニコラス・オーデット氏は話します。

オーデット氏:聴覚皮質は、何が聞こえたかではなく、聞こえたものが自分の期待に合致しているか、あるいは反しているかを信号化しているようです。

さらに研究者らは、ドアを強く閉めなかった場合と同様に、音を完全に無視した場合、その音が起こるはずのタイミングで一部の神経細胞が活性化することを見いだしました。

シュナイダー氏:これらのニューロンは、実際に音が鳴ったときに活動したはずのニューロンであるため、あたかも脳が、これから鳴ると思っていた音の記憶を呼び起こしているかのようでした。

シュナイダー氏らが研究している脳回路は、日常生活における自己生成音の予測に役立っているほか、統合失調症などの病気でも誤作動を起こし、実際にはそこにない「幻の声」を知覚するようになると考えられています。

研究チームは、健康な脳におけるこれらの脳回路を理解することで、病気の際に何がうまくいかないのかを理解できるようになることを期待しています。

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