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高血圧症の発症を抑制する温泉
日本の高齢者における夕方の温泉入浴は、高血圧症の発症を抑制する効果があるようです。
Nothing beats a good soak in a hot bath, and when it really hits the spot, you can almost feel your worries and ailments diffusing out into steam.
参照元:https://www.kyushu-u.ac.jp/en/researches/view/243
– 九州大学 Kyushu University. 2022.12.21 –
熱い風呂に浸かることに勝るものはない。
そして、本当にその場にいるとき、悩みや病気が蒸気の中に拡散していくのを感じることができる。
九州の北東部に位置する歴史都市・別府の温泉は、体の不調を癒すのに最適な場所です。
別府は日本一の温泉都市であるだけでなく、温泉の健康効果や温泉を利用した治療法を研究するホットスポットでもあります。
九州大学医学部附属別府病院の研究者は、『Scientific Reports』に掲載された論文の中で、65歳以上の日本人の高血圧の有病率に夕方の温泉入浴が関係していると報告しています。
人類と温泉の歴史は古く、5,000年以上前の古代エジプトにまで遡ることができます。
日本最古の書物や創世記にも温泉が登場し、現代に至るまで温泉に浸かることは健康に良いとされてきました。
1931年、九州大学は温泉の効能を研究するため、別府に「温泉療法研究所」を設立しました。
以来、90年の歳月を経て、内外科学、リハビリテーション、婦人科、循環器科など、現代医学のさまざまな分野をカバーする研究所に成長しました。
しかし、現在も温泉の健康効果を研究しており、国立温泉療養所としてその名を轟かせています。
2011年、研究所は別府市と共同で、65歳以上の別府市民を対象に健康と温泉に関する大規模なアンケート調査を実施しました。
特に高齢者にとっては、温泉は日常生活の一部であり、別府ならではの取り組みだと思います。
特に高齢者にとっては、温泉は日常生活の一部であり、至る所に温泉施設があります。
この調査では、別府市在住の65歳以上のほぼ3分の1にあたる1万1千人以上から、病歴や温泉の利用状況、温泉の種類などに関する情報を収集しました。
以来、山崎氏をはじめとする研究者たちは、この膨大なデータをもとに、健康と温泉の関係を分析してきました。
山崎氏:長期間の温泉入浴が高血圧の予防につながるかどうかを調べたいと思いました。これまでの研究で、伝統的な温熱療法や温泉入浴が、高血圧をはじめとするさまざまな病気に有効であることがわかっています。特に日本では、高血圧は病院を受診したり、長期間の処方薬を服用したりする主な原因となっています。
研究チームは、現在高血圧症であるか、またはその既往がある4,001人をデータセットから抽出することができました。
最初の分析では、高血圧があると、他の病歴を持つ可能性も高くなることがわかりました。
山崎氏:痛風、不整脈、腎臓病、糖尿病など、高血圧と関連する病態はよく知られているものでした。しかし、個人の温泉習慣を調べたところ、興味深いことがわかりました。19時以降に温泉に入る人は、高血圧になる確率が約15%低いことがわかったのです。
研究チームは、この知見の主な理由として、ストレスの低下と睡眠の入りが早くなることの2つを仮定しています。
これまでの研究で、睡眠の入りが早くなることで睡眠の質が向上し、高血圧のコントロールが改善されることが分かっています。
さらに、サウナ入浴などの温熱療法は、血中のストレスマーカーのレベルを変化させ、高血圧の緩和をより良くすることにつながることが分かっています。
山崎氏:もちろん、私たちの研究には限界があります。選択バイアスは、アンケートを使用する際には常に予想されることです。また、高血圧に影響を与える可能性のある回答者の日々の生活習慣や、高血圧の内科的治療や温泉治療を受けているかどうかも考慮できませんでした。しかし、夜間の温泉入浴の習慣は、高血圧の有病率の低下と関連していることがわかりました。この結果をさらに理解するためには、患者さんからのより多くのデータが必要です。


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