より効率的に脳で認識され処理される「警告的でない叫び声」

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より効率的に脳で認識され処理される「警告的でない叫び声」

チューリッヒ大学の研究チームは、人の叫びについて調査しました。
人間の悲鳴は、恐怖や危険への周囲への警報のなどの意味を持っている事は知られていましたが、警告的でない叫び声のほうが、より効率的に脳で認識され、処理されることが判明しました。

In a new study, a team at the University of Zurich Department of Psychology led by Sascha Frühholz investigated the meaning behind the full spectrum of human scream calls. The results revealed six emotionally distinct types of scream calls indicating pain, anger, fear, pleasure, sadness and joy. “We were surprised by the fact that listeners responded more quickly and accurately, and with a higher neural sensitivity, to non-alarming and positive scream calls than to alarming screams,” says Frühholz.

参照元:https://www.media.uzh.ch/en/Press-Releases/2021/Screams.html
– チューリッヒ大学 University of Zurich. 13 April 2021 –

人間の悲鳴は、差し迫った危険への恐怖や、社会的な争いに巻き込まれること以上の意味を持っています。

叫び声は、喜びや興奮を表すこともあります。

今回、研究者たちは、警告的な叫び声よりも、警告的でない叫び声のほうが、より効率的に脳で認識され、処理されることを初めて実証しました。

悲鳴は命を救います。

人間以外の霊長類や他の哺乳類は、社会的な争いに巻き込まれたときや、捕食者などの脅威の存在を知らせるために、悲鳴のような声を頻繁に使います。

人間も、危険を知らせたり、攻撃性を伝えたりするために叫び声を上げますが、絶望や喜びなどの強い感情を感じたときにも叫び声を上げます。

しかし、これまでの研究では、主に恐怖を表す悲鳴に焦点が当てられていました。

人間はポジティブな叫び声に、より早く、より高い感度で反応する

今回、チューリッヒ大学心理学部のSascha Frühholz教授らの研究チームは、人間の悲鳴にはどのような意味があるのかを調査しました。

その結果、人間の叫び声には、痛み、怒り、恐れ、喜び、悲しみ、喜びの6つの感情があることがわかりました。

その結果、痛み、怒り、恐れ、喜び、悲しみ、そして喜びを示す6種類の感情的に異なる叫び声があることがわかりました。

Frühholz教授は話します。

「私たちは、リスナーが、警告的な叫び声よりも、警告的ではないポジティブな叫び声に、より素早く正確に、より高い神経感度で反応するという事実に驚きました。」

嬉しい悲鳴の認知処理はより効率的

研究チームは、研究のために4つの実験を行いました。

12人の参加者に、さまざまな状況で引き出される可能性のあるポジティブな悲鳴とネガティブな悲鳴を発声してもらいました。

別のグループが叫び声の感情的性質を評価し、異なるカテゴリーに分類した。

参加者が悲鳴を聞いている間、脳活動は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、音をどのように知覚、認識、処理、分類したかをモニターしました。

Frühholz教授は話します。

「その結果、前頭葉、聴覚、大脳辺縁系の脳領域では、警報音ではない悲鳴を聞いているときのほうが、警報音を処理しているときよりも、はるかに多くの活動と神経結合が見られました。」

より複雑な社会環境が神経認知の優先順位を変えた

これまで、人間や霊長類の認知システムは、悲鳴という形の脅威や危険信号を認識するために特別に調整されていると考えられていました。

しかし、霊長類や他の動物種とは対照的に、ヒトの叫び声は人類の進化の過程でより多様化したように思われます。

これは、Frühholz教授が進化上の大きな飛躍であると考えていることです。

「喜びや楽しみなどのポジティブな感情を伝えるために、人間だけが悲鳴を上げている可能性は高いですね。そして、アラーム音とは異なり、ポジティブな叫び声は時間の経過とともに重要性を増してきました。」

研究者たちは、人間の社会環境が複雑化したことで、コミュニケーションの必要性が高まったことが原因ではないかと考えている。

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