蛍光ポリマーを血液中のタンパク質に結合させ鮮明な指紋を検出する技術

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蛍光ポリマーを血液中のタンパク質に結合させ鮮明な指紋を検出する技術

ACS Applied Materials & Interfaces誌に発表された研究者らは、指紋に含まれる血液に結合し、表面にあるDNAを損傷することなく、高コントラストの画像を作成する蛍光ポリマーを開発しました。

Careful criminals usually clean a scene, wiping away visible blood and fingerprints. However, prints made with trace amounts of blood, invisible to the naked eye, could remain. Dyes can detect these hidden prints, but the dyes don’t work well on certain surfaces. Now, researchers reporting in ACS Applied Materials & Interfaces have developed a fluorescent polymer that binds to blood in a fingerprint — without damaging any DNA also on the surface — to create high-contrast images.
参照元：https://www.acs.org/content/acs/en/pressroom/presspacs/2021/acs-presspac-april-21-2021/illuminating-invisible-bloody-fingerprints-with-a-flourescent-polymer.html
– 米国化学会 American Chemical Society. April 21, 2021 –

注意深い犯罪者は、通常、現場を清掃し、目に見える血痕や指紋を拭き取ります。

しかし、肉眼では見えない微量の血液で作られた指紋は残る可能性があります。

染料はこれらの隠れた指紋を検出することができますが、染料は特定の表面ではうまく働きません。

今回、ACS Applied Materials & Interfaces誌に発表された研究者らは、指紋に含まれる血液に結合し、表面にあるDNAを損傷することなく、高コントラストの画像を作成する蛍光ポリマーを開発しました。

指紋は、その渦巻き、ループ、アーチが各人に固有のものであり、これらのパターンは年齢を重ねても変化しないことから、法医学上の重要な証拠となります。

しかし、凶悪犯罪の場合、犯人が現場をきれいにしようとすると、血のついた指紋は見えにくくなります。

そのため、通常は染料を使ってこの種の証拠を明らかにしますが、中には画像を現像するために複雑な技術を必要とするものもあり、また、背景が混雑していると分析が難しくなります。

また、木材のように表面に凹凸があるものは、識別が難しくなります。

蛍光化合物は、指紋と指紋が付着した表面とのコントラストを強調することができます。

しかし、良好で安定した画像を得るためには、これらの分子が血液中の分子と強い結合を形成する必要があります。

そこで、Li-Juan Fan氏、Rongliang Ma氏らは、蛍光ポリマーを血液中のタンパク質に結合させて、さまざまな表面に付着した鮮明な指紋を検出できるようにする簡単な方法を探していました。

研究チームは、以前に開発した黄緑色の蛍光ポリマーに2つ目のアミノ基を加えて改良し、ポリマーと血液中の血清アルブミンタンパク質の間に安定した結合を形成させました。