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携帯電話のGPSセンサーで「90%以上の精度で若年層の大麻中毒を検出」
スマートフォンのGPSなどのセンサーを用いて大麻の中毒を検知できる可能性があるそうです。
大麻中毒者のエピソードとGPSのデータを組み合わせることで90%以上の精度で大麻中毒かどうかを検知できるようです。
A smartphone sensor, much like what is used in GPS systems, might be a way to determine whether or not someone is intoxicated after consuming marijuana
参照元:https://www.rutgers.edu/news/smartphone-sensor-data-has-potential-detect-cannabis-intoxication
– ラトガース大学 Rutgers University. September 24, 2021 –
Rutgers Institute for Health, Health Care Policy and Aging Research(ラトガース健康・医療政策・高齢化研究所)が発表した新しい研究によると、GPSシステムに使用されているようなスマートフォンのセンサーが、マリファナを摂取した後に誰かが酔っているかどうかを判断する方法になるかもしれないそうです。
Drug and Alcohol Dependence誌に掲載された本研究によると、スマートフォンのセンサーデータを利用して自然環境下での大麻中毒のエピソードを特定することの実現可能性を評価した結果、時間機能(曜日や時間帯の追跡)とスマートフォンのセンサーデータを組み合わせた場合、90%の精度が得られたとのことです。
対応する著者であるTammy Chung教授(精神医学)は、ラトガース健康・医療政策・高齢化研究所の人口行動健康センターの所長であり、精神医学の教授でもあります。
大麻中毒は、反応速度の低下、仕事や学校でのパフォーマンスへの影響、怪我や死亡につながる運転行動の阻害などと関連しています。
血液検査、尿検査、唾液検査などの既存の検出方法では、日常生活における大麻中毒や大麻関連障害の指標としては限界があります。
研究者らは、週に2回以上の大麻使用を報告した若年成人から集めた日常的なデータを分析しました。
電話調査、大麻使用の自己申告、および連続的な電話センサーデータを調べ、使用の検出における時間帯と曜日の重要性を明らかにし、自己申告による大麻中毒の検出に最も有用な電話センサーを特定しました。
その結果、時間帯と曜日は、大麻使用の自己申告を検出する上で60%の精度を持ち、時間帯の特徴とスマートフォンのセンサーデータの組み合わせは、大麻使用の自己申告を検出する上で90%の精度を持つことが分かりました。
また、大麻を使用したと自己申告した人を検出するためには、GPSデータから得られる移動パターンと、加速度センサーから得られる動きのデータが最も重要であることがわかりました。
研究者らは、日常生活における酩酊状態を検出するために、負担の少ない方法(時間帯と曜日を追跡し、携帯電話のセンサーデータを分析する)を用い、携帯電話のセンサーを使って大麻摂取による主観的な酩酊状態を検出することの実現性が高いことを明らかにしました。
今後の研究では、大麻の使用頻度が低い人の酔っぱらい報告とそうでない報告を分類するアルゴリズムの性能を調査する必要があります。
また、法執行機関が使用する可能性のあるツールを用いて、大麻使用の自己申告との強い相関関係を示す酩酊状態の報告を調査する必要があります。
本研究の著者は、スティーブンス工科大学、スタンフォード大学、カーネギーメロン大学、東京大学、ワシントン大学(シアトル)の研究者です。


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