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免疫チェックポイント阻害薬「 脳脊髄液中の免疫細胞にも変化をもたらす」
脳周辺組織に転移したがん患者に、免疫療法が有効である可能性があるようです。
阻害剤は、脳髄液中の免疫細胞にも変化をもたらしました。
Two new studies indicate that immunotherapy may benefit people with leptomeningeal carcinomatosis (LMD), a rare but serious complication of cancer that has spread to the brain and/or spinal cord.
参照元:https://www.massgeneral.org/news/press-release/Immunotherapy-may-benefit-patients-with-cancer-that-has-spread-to-tissues-around-the-brain
– マサチューセッツ総合病院 Massachusetts General Hospital. OCT | 20 | 2021 –
脳や脊髄に転移したがんによる、まれではあるが重篤な合併症であるレプトメンジアル・カルチノマトーシス(LMD)に対して、免疫療法が有効である可能性を示す2つの新しい研究結果が発表されました。
この研究は、マサチューセッツ総合病院、ダナファーバーがん研究所、ブロード研究所の研究者が中心となって行ったもので、Nature Communications誌に掲載されました。
がん治療の進歩により、患者の生存期間は延長されましたが、一部のがんは、しばしば体内の別の場所で再発します。
このことは、近年、レプトメニンゲ(脳と脊髄を覆う組織の層)や脳脊髄液に腫瘍細胞が浸潤するLMDの発生率が増加していることの一因と考えられます。
乳がん、肺がん、メラノーマなどの悪性腫瘍と診断された後にLMDを発症する患者さんは、全体の約5~8%と言われています。
現在の治療法ではLMD患者にほとんど効果がないため、新しい治療法の開発が急務となっています。
免疫チェックポイント阻害剤は、さまざまながんに対する免疫システムの反応を高める重要な薬剤ですが、LMDに対する効果は不明です。
そこで研究者らは、2つの第2相臨床試験を実施しました。
その結果、免疫チェックポイント阻害剤の投与前と投与後に、患者の脳脊髄液から免疫細胞とがん細胞を採取して解析したところ、治療効果を示す兆候が見つかりました。
例えば、がんを殺傷する特定の免疫細胞の数や、細胞内の特定の遺伝子の発現量が、治療後に増加していたのです。
この試験では、LMD患者18名が、イピリムマブとニボルマブ(2種類の免疫チェックポイント阻害剤)の併用療法を、がんが進行するか許容できない毒性が出るまで受けました。
主要評価項目は、3カ月後の全生存率で、18人中8人が生存していました。
(歴史的に見て、LMDと診断されてから患者の生存期間は中央値で3~7週間です。)
3分の1の患者が1つ以上の重篤な有害事象を経験しました。
また、2名の患者が許容できない毒性のために治療を中止した。最も頻度の高い有害事象は、疲労、吐き気、発熱、食欲不振、発疹などでした。
著者らは、今回の結果を検証するためには、より大規模な多施設共同臨床試験が必要であるとしています。
MGHの中枢神経系転移センターのディレクターであり、ハーバード・メディカル・スクールの医学准教授でもある、共著者のPriscilla K. Brastianos医学博士は話します。
「今回発表された2つの研究では、臨床試験では患者を対象に、実験室では顕微鏡を用いて、免疫チェックポイント阻害剤がLMD患者に有望な効果をもたらすことが示されました。さらなるデータが必要ですが、今回の結果は、免疫チェックポイント阻害療法がこの悲惨な疾患の治療に役立つ可能性を示す、素晴らしい第一歩です。」
本試験の資金は、Bristol Myers Squibb社およびMGHから提供されました。
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