
新着記事
「バーチャル上でも効果あり!?」ストレスや不安を軽減するトレーニング
トレーニングは心理社会的ストレスや不安を軽減する事は知られていますが、バーチャル上でも効果があるようです。
a new study suggests that a similar virtual training can also reduce psychosocial stress and anxiety.
参照元:https://www.tohoku.ac.jp/en/press/training_virtually_reduces_psychological_stress_anxiety.html
– 東北大学 Tohoku University. 2022-06-17 –
これまでの研究では、仮想トレーニングが急性の認知および神経上の利点をもたらすことが説明されています。
それらの結果に基づき、新しい研究は、同様の仮想トレーニングが心理社会的ストレスや不安も軽減できることを示唆しています。
東北大学スマート・エイジング国際共同研究センター(IDAC)の研究者らは、2022年5月23日、International Journal of Environmental Research and Public Healthに研究結果を発表しました。
身体運動は、私たちの健康全般に恩恵をもたらします。
しかし、神経疾患患者、循環器疾患患者、入院患者など、運動をすることができない、あるいは危険すぎるという人もいます。
しかし、IVR(Immersive Virtual Reality:没入型バーチャルリアリティ)を使えば、同様の効果が得られるかもしれません。
IVRは当初エンターテインメントとして開発されましたが、仮想の身体を通して仮想の世界を体験できることから、臨床への応用が期待され、学術界でも注目されています。
研究者らはこれまでの研究で、一人称視点で表示された動く仮想身体を見ていると、生理的な変化が起こることを発見しています。
その結果、若い参加者がじっとしていても、仮想の動きに合わせて心拍数がコヒーレントに増減することが確認されました。
その結果、実際の運動後と同様に、急性認知・神経症状が発生しました。
また、健康な高齢者を対象とした追跡調査でも、週2回、6週間、20分間のセッションを行ったところ、同様の効果が確認されました。
今回の研究では、バーチャルトレーニングの効果をさらに高めるために、ストレスへの影響も調査しました。
若い健康な被験者が、じっと座っている状態で、一人称視点で表示される仮想トレーニングを体験し、動きを所有しているような錯覚を起こしました。
アバターは時速6.4kmで30分間走り続けました。
バーチャルトレーニングの前後には、神経内分泌系のストレスレベルを示す重要なバイオマーカーである唾液中のα-アミラーゼを測定し、心理社会的ストレス反応を誘導・評価しました。
同様に、不安に関する主観的な質問票も配布しました。
その結果、バーチャルトレーニング後に、実際の運動後と同程度の心理社会的ストレス反応の低下と不安の低減が確認されました。
この研究を行ったDalila Burin教授は話します。
Burin教授:心理社会的ストレスとは、社会的判断や拒絶、成績の評価など、頻繁に起こる社会的状況において経験するストレスのことを指します。適度なストレスへの暴露は有益かもしれませんが、暴露が繰り返されたり増加したりすると、私たちの健康に害を及ぼす可能性があります。このような仮想トレーニングは、特に日本のように高いパフォーマンス要求と高齢化社会が存在する国において、新たなフロンティアを示すものです。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!
関連記事
新着記事
-
行動障害を引き起こす慢性的なストレス2023.01.29人体・脳
-
機嫌で変わる言語処理2023.01.28人体・脳
-
若々しさを促進する「運動」2023.01.27健康
-
免疫機能の低下「夫婦不仲」2023.01.26健康
-
食よりも効果のある「総摂取カロリーを減らす」2023.01.25健康
-
腸を守る「教育」2023.01.24健康
-
歩行や自転車を楽しむ人の特徴「自分の住んでいる地域が好き」2023.01.23健康
-
出生率の低下は「子供を持ちたいという願望の減少」ではない2023.01.22社会
-
うつ病リスク軽減「他者からのサポート」2023.01.21健康
-
メラノーマの発症が少ない「ビタミンD定期摂取者」2023.01.20健康
よく読まれている記事
N E W S & P O P U L A R最 新 記 事 & 人 気 記 事
WHAT'S NEW !!
-
行動障害を引き起こす慢性的なストレス
【行動障害を引き起こす慢性的なストレス】 慢性的なストレスは快楽を喪失させ、抑うつなどの行動障害を引き起こすようです。 It's clear that chronic stress can impa... -
機嫌で変わる言語処理
【機嫌で変わる言語処理】 気分が悪い時、言語処理にどのような影響があるかアリゾナ大学の研究者たちが調査しました。 When people are in a negative mood, they may ... -
若々しさを促進する「運動」
【若々しさを促進する「運動」】 運動は若々しさを促進することを裏付ける研究結果が発表されました。 A recent paper published in the Journal of Physiology deepene... -
免疫機能の低下「夫婦不仲」
【免疫機能の低下「夫婦不仲」】 「夫婦は似てくる」と日本では言われていますが、コミュニケーションが不良である夫婦は免疫脳低下などの特徴が見られたようです。 A t...
-
なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか
【なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、手書きの方が物事をよく覚えることが判明しました。 様々なコンピュ... -
大面積有機フォトダイオードに置き換わる?「シリコンフォトダイオード技術」
【大面積有機フォトダイオードに置き換わる?「シリコンフォトダイオード技術」】 ダイオードと言うのは、光検出器の事で光が入射されるとエネルギーを生むというデバイ... -
「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測
【「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測】 ベイズ統計学を用いると、最長寿記録122歳という世界記録はほぼ確実に破られ、125歳から1...
News
- 新着記事 -
Popular
- 人気記事 -
H A P P I N E S S幸 福
人気 (❁´ω`❁)
M E A L食 事
B R A I N脳
人気 (❁´ω`❁)
H E A L T H健 康
人気 (❁´ω`❁)
-
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)
【満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)】 リポカリン-2(LCN2)ホルモンの摂取により、食物摂取を抑制し満腹度が高まる事は、マウス実験で知られていましたが、ヒト科...
-
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)
【満腹感を抑制するリポカリン-2(LCN2)】 リポカリン-2(LCN2)ホルモンの摂取により、食物摂取を抑制し満腹度が高まる事は、マウス実験で知られていましたが、ヒト科...