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「90歳以上の寿命と関連」人種や民族関係なく高い楽観性を持つ女性
人種や民族など関係なく、高い楽観性を持つ女性は長寿と関連しているようです。
Higher levels of optimism were associated with longer lifespan and living beyond age 90 in women across racial and ethnic groups in a study led by researchers at Harvard T.H. Chan School of Public Health.
参照元:https://www.hsph.harvard.edu/news/press-releases/optimism-longevity-women/
– ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院 Harvard T.H. Chan School of Public Health. June 8, 2022 –
ハーバード大学T.H.Chan公衆衛生大学院の研究者が主導した研究で、楽観主義のレベルが高いことは、人種や民族を問わず、女性の寿命が長く、90歳を超えて生きることと関連していることが明らかになりました。
ハーバード・チャンスクールの社会・行動科学科の博士候補で研究の主執筆者の古賀速水氏は話します。
古賀氏:楽観主義自体は、人種や民族などの社会構造的要因に影響されるかもしれませんが、我々の研究は、楽観主義の利点が多様なグループ間で保持される可能性を示唆しています。これまでの研究の多くは、病気や早死にのリスクを高める欠陥や危険因子に焦点を当てたものでした。我々の発見は、多様なグループ間で長寿と健康的な加齢を促進する新しい方法の可能性として、楽観主義のようなポジティブな心理的要因に注目することに価値があることを示唆しています。
この研究は、2022年6月8日に、Journal of the American Geriatrics Societyのオンライン版に掲載されました。
研究グループは以前の研究で、楽観主義が寿命の延長や、85歳を超えて生きることと定義される例外的な長寿と関連していることを突き止めました。
前回の研究では主に白人を対象としていたため、今回の研究では参加者の幅を広げ、さまざまな人種や民族の女性を含めることにしました。
古賀氏によると、多様な人種を研究に取り入れることは公衆衛生上重要でs。
なぜなら、これらの人種は白人よりも死亡率が高く、医療政策の決定に役立つ研究は限られているからです。
今回の研究では、米国の閉経後の女性を対象とした「Women’s Health Initiative」に1993年から1998年まで50〜79歳で登録し、最長26年間追跡調査した159,255人のデータと調査回答を分析しました。
参加者のうち、最も楽観的だった25%は、最も楽観的でなかった25%よりも寿命が5.4%長く、90歳を超えて生きる可能性が10%高かったそうです。
また、楽観主義と人種・民族のどのカテゴリーにも相互作用は見られず、これらの傾向は人口統計、慢性疾患、うつ病を考慮した後にも当てはまりました。
定期的な運動や健康的な食事などの生活習慣の要因は、楽観主義と寿命の関連性の4分の1以下であり、他の要因が関与している可能性を示しています。
古賀氏は、この研究結果は、健康に影響を与える意思決定の捉え方を見直すきっかけになると述べています。
古賀氏:私たちは、健康に影響を及ぼすネガティブなリスク要因に注目しがちです。楽観主義のような、健康に有益と思われるポジティブな資源について考えることも重要で、特に、これらの利点が人種や民族を超えて見られることが分かれば、なおさらです。
本研究は、米国国立衛生研究所(R01AG053273、K08048221)の支援を受けています。
Women’s Health Initiativeは、国立衛生研究所の国立心肺血液研究所、および保健福祉省から資金提供を受けています。


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