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「筋肥大につながる」朝摂取するたんぱく質
適切な成長のためには、1日のうちの適切な時間に適切な量のタンパク質を摂取することが肝要です。
This is called ‘Chrononutrition,’ in which when you eat is as important as what and how you eat.
参照元:https://www.waseda.jp/top/en/news/74633
– 早稲田大学 Waseda University. Mon, Jul 19, 2021 –
タンパク質は、体の成長と修復を助ける必須の栄養成分です。
アミノ酸の長鎖からなるタンパク質は、体を動かすための筋肉である骨格筋の成長を促します。
人間は昔からタンパク質の有用性を認識していました。
しかし、最近の研究では、適切な成長のためには、1日のうちの適切な時間に適切な量のタンパク質を摂取することが不可欠であることがわかってきました。
これは「クロノニュートリション」と呼ばれるもので、何をどのように食べるかということと同様に、いつ食べるかということも重要です。
これは、体内に備わっている「概日リズム」と呼ばれる体内時計の働きによるものです。
このリズムは、すべての細胞が従うもので、代謝や成長などの生命機能をコントロールしています。
興味深いことに、タンパク質の消化・吸収は、この時計に従って昼夜を問わず変動することがわかっています。
さらに、これまでの研究では、成人の場合、朝食と昼食でのタンパク質の摂取が骨格筋の成長を促進することが報告されています。
しかし、タンパク質を摂取する時間帯が筋肉の成長や機能に及ぼす影響については、これまで詳しくわかっていませんでした。
幸いなことに、柴田重信教授率いる早稲田大学の研究者たちは、1日のタンパク質摂取量の分布が筋肉に及ぼす影響を解明しようと試みました。
実験用マウスに、タンパク質濃度の高い食事(比率11.5%)と低い食事(比率8.5%)を1日2回与えました。
その結果、朝食時にタンパク質を摂取した場合、夕食時にタンパク質を摂取した場合と比較して、脚の足底筋の筋肥大を評価した結果、筋肉の成長が促進されたことがわかりました。
具体的には、朝食時に8.5%のタンパク質を摂取したマウスは、夕食時に11.5%のタンパク質を摂取したマウスに比べて、対照筋の成長に対する筋肥大の比率が17%高かった。
また、BCCA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれる種類のタンパク質を1日の早い段階で摂取すると、骨格筋のサイズが特異的に大きくなることもわかりました。
これらの効果が概日リズムの働きと関連していることを確認するために、研究チームは次に、体内時計を制御する遺伝子を欠損させた全身変異型Clock19マウスと筋肉特異的Bmal1ノックアウトマウスを作製しました。
これらのマウスで食事の配分実験を繰り返しましたが、同様の筋肉の変化は見られず、タンパク質の摂取に伴う筋肉の成長に概日リズムが関与していることが確認されました。
柴田教授は、最近のCell Reports誌に掲載された研究成果について話します。
「骨格筋の健康を維持し、筋量や握力を高めるためには、1日の活動時間の早い段階、つまり朝食時にタンパク質を多く摂取することが重要です。」
研究チームは、この結果が人間にも当てはまるかどうかを確認するために、研究対象に女性を採用し、骨格筋指数(SMI)と握力を測定して求められる筋肉の機能が、タンパク質の豊富な食事を摂取するタイミングによって変化するかどうかを検証しました。
65歳以上の女性60人が、夕食時ではなく朝食時にタンパク質を摂取した場合、筋肉の機能が向上していたことから、今回の結果が生物種を超えて当てはまる可能性が示唆されました。
さらに、SMIと、1日の総タンパク質摂取量に対する朝食でのタンパク質摂取量の割合との間には、強い関連性があることもわかりました。
柴田教授は、今回の研究結果が、欧米やアジア諸国の多くの人々が伝統的に朝食時のタンパク質摂取量を少なくしている現状の食生活の改善につながることを期待しています。
人間の場合、一般的に朝食でのタンパク質摂取量は平均15g程度で、夕食での摂取量である28gを下回っています。
今回の結果は、この常識を変え、朝食や朝の間食時にタンパク質を多く摂取することを強く支持するものです。
どうやら、食生活の簡単な変更が、健康な筋肉を確保するための鍵となりそうです。
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