食すと健康に与える影響がわかるグラフ

研究者は、5,800種類以上の食品を評価し、人間に与える栄養学的な疾病の負担や環境への影響をランク付けしました。
ホットドッグを食べると36分の健康寿命を失う可能性があり、ナッツを食べると26分の健康寿命を延ばす可能性があります。

Eating a hot dog could cost you 36 minutes of healthy life, while choosing to eat a serving of nuts instead could help you gain 26 minutes of extra healthy life, according to a University of Michigan study.

参照元：https://news.umich.edu/small-changes-in-diet-could-help-you-live-healthier-more-sustainably/
– ミシガン大学 University of Michigan. August 18, 2021 –

ミシガン大学の研究によると、ホットドッグを食べると36分の健康寿命を失う可能性がありますが、代わりに1食分のナッツを食べることを選択すれば、26分の健康寿命を延ばすことができるそうです。

Nature Food誌に掲載されたこの研究では、5,800種類以上の食品を評価し、人間に与える栄養学的な疾病の負担や環境への影響をランク付けしました。

その結果、1日の摂取カロリーの10％を牛肉や加工肉から果物、野菜、ナッツ類、豆類、厳選された魚介類に置き換えることで、食事による二酸化炭素排出量を3分の1に減らし、1日あたり48分の健康的な時間を確保できることがわかりました。

今回の研究を担当したKaterina Stylianou氏は話します。

「一般的に、食生活の推奨には、人々が行動を変える動機となるような具体的で実行可能な方向性が欠けており、食生活の推奨が環境への影響を考慮していることはほとんどありません。」

Stylianou氏は現在、デトロイト市保健局の公衆衛生情報・データ戦略担当ディレクターとして勤務しています。

https://twitter.com/ksstylianou/status/1238500780413509633

この研究は、疫学に基づいた新しい栄養指標「健康栄養指標」に基づいています。

この指標は、Nutrition Impact LLCの栄養士Victor Fulgoni IIIと共同で開発しました。

HENIは、1食分の食品に関連する健康寿命（分）における有益または有害な健康負荷を計算します。

人の健康への影響を計算する

HENIは、Global Burden of Disease（世界疾病負荷）を応用したもので、病気の死亡率と罹患率が個人の1回の食事の選択と関連しています。

HENIでは、GBDから得られた15種類の食事リスク要因と疾病負担の推定値を、国民健康・栄養調査の「What We Eat in America」データベースに基づいて、米国で消費されている食品の栄養プロファイルと組み合わせました。

プラスのスコアを持つ食品は健康的な生活の分を加え、マイナスのスコアを持つ食品は人間の健康に悪影響を及ぼす健康上の結果と関連しています。

環境影響の評価

食品の環境への影響を評価するために、研究者らは、食品のライフサイクル（生産、加工、製造、調理、消費、廃棄）への影響を評価する手法であるIMPACT World+を活用し、水の使用や微小粒子状物質の生成による人の健康への影響についての評価を改善しました。

また、食品の詳細なレシピや予想される食品廃棄物を考慮して、18の環境指標のスコアを作成しました。

最後に、栄養面と環境面を総合的に判断して、食品を信号機のように緑、黄、赤の3色のゾーンに分類しました。

緑のゾーンは、食生活の中で増やすことが推奨される食品を表し、栄養的に有益で環境への影響が少ない食品が含まれます。

このゾーンに含まれる食品は、主にナッツ類、果物、畑で育てられた野菜、豆類、全粒穀物、一部の魚介類です。

レッドゾーンには、栄養面または環境面でかなりの影響があり、食生活の中で減らすか避けるべき食品が含まれます。

栄養面での影響は主に加工肉、気候面やその他の環境面での影響は主に牛肉と豚肉、羊肉と加工肉が原因でした。

研究者らは、すべての指標の範囲が大幅に異なることを認め、また、栄養的に有益な食品が必ずしも最も低い環境影響をもたらすとは限らず、その逆もまた然りであることを指摘しています。

これまでの研究では、植物性食品と動物性食品の比較に終始していましたが、今回の研究では、植物性食品の方が一般的に優れていることがわかりました。

今回の調査結果に基づき、研究者は次のように提案しています。

加工度の高い肉、牛肉、エビ、次いで豚肉、ラム肉、温室栽培の野菜など、健康や環境に最も悪い影響を与える食品を減らす。
畑で栽培された野菜や果物、豆類、ナッツ類、環境への影響が少ない魚介類など、栄養面で最も有益な食品を増やす。

U-M大学の環境健康科学教授で論文の上席執筆者であるOlivier Jolliet氏は話します。

「人間の健康と環境を改善するためには、食生活を変えることが緊急課題であることは明らかです。我々の発見は、食生活の劇的な変化を必要とせずに、健康と環境に大きな効果をもたらすために、小さな目標を定めた代替手段が実現可能で強力な戦略であることを示しています。」

1 hot dog = 36 min. of healthy life lost. Small targeted diet changes can reduce dietary carbon footprint by one-third and add 48 healthy minutes of
life per day. 5800 foods analyzed in Nature food https://t.co/vQqzkpitkc, @UMSPH
, https://t.co/JVEtNjtmHU @umichigannews pic.twitter.com/D7rV0iuCyJ

— Olivier Jolliet (@OlivierJolliet) August 19, 2021

このプロジェクトは、National Dairy Council（全米乳製品協会）およびミシガン大学Dow Sustainability Fellowship（ダウ・サステナビリティ・フェローシップ）からの無制限の助成金を受けて実施されました。

研究者たちは、スイス、ブラジル、シンガポールのパートナーとも協力して、現地で同様の評価システムを開発しています。最終的には、世界各国に広げていきたいと考えています。