環境変化の影響の測定は「マクロではなくミクロ的に調査する事」も重要

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環境変化の影響の測定は「マクロではなくミクロ的に調査する事」も重要

サザンプトン大学の研究チームは、環境変化の影響を測定する際の研究方法について提案しています。
動物、原生生物、バクテリアなど、数十億年の進化を経て大きさも大きく異なる生物を一緒に研究すること等を提案しています。

The team took seawater samples in numerous locations along the length of the South African coast, from the warmer seas of the east, to the cooler waters of the west and the intermediate temperatures in the south. The samples were filtered, had environmental DNA extracted and underwent sophisticated lab analysis to indicate the diverse range of organisms found in particular locations.
参照元：https://www.southampton.ac.uk/news/2021/04/biogeographic-sealife.page
– サザンプトン大学 University of Southampton. 15 April 2021 –

サザンプトン大学の科学者たちは、環境変化の影響を測定する際に、小さなバクテリアから巨大なクジラまで、あらゆる生物を研究することの重要性を強調する研究を行いました。

同大学海洋地球科学部の研究者は、バンゴー大学、シドニー大学、ヨハネスブルグ大学、英国国立海洋学センターの研究者と協力して、南アフリカの海岸線で海洋動物、原生生物（単細胞生物）、バクテリアの調査を行いました。

主任研究員でサウサンプトン大学の大学院生であるルーク・ホルマン氏は説明します。

「通常、生物多様性や生物地理の研究では、一度に1つの種のグループ、多くは動物に焦点を当てます。今回、動物、原生生物、バクテリアという、数十億年の進化を経て大きさも大きく異なる生物を一緒に研究することで、海洋生態系をより広い視野で捉えることができました。海岸線上の3つの生物の生物地理学的なグループが驚くほど一致していることを発見しました。これは、これまでに研究されたパターンと一致しており、地域の海流によって引き起こされています。」

この研究成果は、Nature Ecology and Evolution誌に掲載されました。

研究チームは、南アフリカの海岸線に沿って、東の暖かい海から、西の冷たい海、南の中間温度の海まで、多くの場所で海水を採取しました。

サンプルはろ過され、環境DNAが抽出され、特定の場所で発見された多様な生物を示すために、高度なラボ分析が行われました。

その結果、海岸の長さに応じて幅広い種類の生物が海に生息していることがわかりましたが、温暖な地域、寒冷な地域、中間の地域では正確な種に違いがあることがわかりました。

また、バクテリアや原生生物でも同じような違いが見られ、地域ごとに生物の多様性に一貫性があることがわかりました。

さらに、動物とバクテリアの多様性には温度が最も影響し、原生生物は水中のクロロフィル濃度との関連性が高いこともわかりました。

また、この3つのグループは、海運や漁業、マリーナの建設などの人間活動の影響をある程度受けているものの、それは予想していたほどではなかったことも明らかになりました。

今回の研究について、ルーク氏は話します。

「私たちの研究が、生物地理学的評価や海洋保護・修復プロジェクトにおいて、研究者が他の生物グループを考慮するきっかけになることを願っています。例えば、サンゴ礁の回復を目的としたプロジェクトでは、細菌群集も考慮する必要があるかもしれませんし、河川システムの保護では、魚類に加えて原生生物群集もモニタリングする必要があるかもしれません。」

今後、研究チームは、海洋の生物多様性の変化が、微細なバクテリアや原生生物から、魚や海洋哺乳類のような巨大な生物に至るまで、すべての生物に及ぼす原因と結果について、さらに詳しく知りたいと考えています。

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