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主観的年齢不一致（SAD 実年齢-理想年齢)と健康の関連性

主観的年齢不一致（SAD）とは、「自分が何歳だと感じているか」と「何歳になりたいと思っているか」の差です。
自分が感じる年齢が理想の年齢に近い日は、よりポジティブな気分になる傾向などがあるようです。

A new study finds that the disconnect between how old we feel and how old we want to be can offer insights into the relationship between our views on aging and our health.

参照元：https://news.ncsu.edu/2021/07/subjective-age-discordance/
– ノースカロライナ州立大学 North Carolina State University. July 27, 2021 –

自分が何歳だと感じているかと、何歳になりたいと思っているかの不一致が、加齢観と健康との関係を示唆していることが、新たな研究で明らかになりました。

主観的年齢不一致（SAD）とは、「自分が何歳だと感じているか」と「何歳になりたいと思っているか」の違いであり、加齢心理学の分野ではかなり新しい概念です。

しかし、これまでの研究では、SADを使って縦断的なデータを調べ、人々の加齢観が数カ月または数年の間にどのように変化するかを調べていました。

本研究の共著者であり、ノースカロライナ州立大学の心理学教授であるShevaun Neupert氏は話します。

「私たちは、SADが加齢観の日々の変化を評価するのに役立つかどうか、そしてそれが身体的な健康や幸福にどのように関連するかを調べたいと思いました。」

SADは、自分が何歳だと感じているかを考慮し、何歳になりたいかを差し引き、実際の年齢で割ることで判定されます。

スコアが高ければ高いほど、自分が望む年齢よりも老けていると感じていることになります。

今回の研究では、60〜90歳の成人116名と、18〜36歳の成人107名が参加しました。

参加者は、8日間、毎日、オンライン調査に回答しました。

この調査では、参加者が毎日何歳だと感じているか、理想の年齢、1日の間のポジティブな気分とネガティブな気分、経験したストレス、腰痛や風邪の症状などの身体的な不調を評価するように作られていました。

Neupert氏は話します。

「高齢者と若年者の両方がSADを経験していることがわかりました。高齢者の方がより顕著であり、それは理にかなっていると思います。しかし、若年層では日によって変動が大きいことがわかり、興味深い結果となりました。」

論文の筆頭著者で、フリードリヒ・シラー大学イエナの研究者であるJennifer Bellingtier氏は話します。

「若年層は、より多くの人に押されたり、引っ張られたりしていると思います。若年層は、加齢に伴うネガティブなステレオタイプを気にしていますが、若い世代に伴うネガティブなステレオタイプにも対処していて、年上であることに伴う特権や地位を得たいと思っているのかもしれません。」

さらに2つの発見が目立ちました。

Bellingtier氏は説明します。

「自分が感じる年齢が理想の年齢に近い日は、人々はよりポジティブな気分になる傾向があります。また、健康上の不満が多い人は、平均してSADスコアが高いことも分かりました。」

どちらの結果も驚くべきものではありませんでしたが、SADの概念が、人々の年齢観や加齢観を理解するためのツールとして価値があることを示しています。

また、加齢とその健康への影響についての考え方に、新しいアプローチを提供してくれるかもしれません。

Bellingtier氏は話します。

「これまでの研究では、年齢を感じることが心身の健康に影響を与えることがわかっており、それを解決するための介入は、人々に若さを感じさせようとすることが中心でした。」

「このようなアプローチは、エイジズムを助長するという点で問題があります。本研究で得られた知見は、幸福度を向上させるための別のアプローチとして、この主観的な年齢の不一致を減らす方法を見つけることができることを示唆しています。言い換えれば、人々に若さを感じろと言うのではなく、”理想的な “年齢を上げるように促すことで、人々を助けることができるのです。」

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