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弁解の機会が与えられると「過去行った非道徳的行為を忘れてしまう」
非道徳的な行動・悪行に対して、弁解や挽回の機会を与えると、綺麗サッパリそれらをを忘れてしまう可能性がある事がCNRS(フランス国立科学研究センター)の実験であきらかになりました。
Proven fact: we remember our altruistic behaviour more easily than selfish actions or misdeeds that go against our own moral sense. Described as ‘unethical amnesia’ by scientists, it is generally explained by self-image maintenance. But could these selective oversights, not necessarily conscious, have a more strategic aim? To find out, a team of behavioural economists from the CNRS recruited 1322 volunteers in an online experiment which took place over two sessions.
参照元:https://www.cnrs.fr/en/forgetting-past-misdeeds-justify-future-ones
人は、自分の道徳感覚に反する利他的な行動や悪行よりも、利他的な行動を覚えやすいという事がCNRS(フランス国立科学研究センター)の実験により判明しました。
それは科学者に「非倫理的な記憶喪失」と名付けられました。
なぜそのような事が起こるかと言うと、一般的に自己イメージの維持によって説明されます。
しかし問題は、意識的につまり意図的に起こしているわけではないこれらの選択的な見落としを、より戦略的な目的として保つことでできるかどうかです。
CNRSの行動経済学者のチームは1322人のボランティアを募集しました。
実験は2つのセッションにわたりオンラインで行われました。
最初のセッションでは宝くじを20回繰り返し引いてもらい、その結果によって参加者に金銭的報酬を与える約束をしました。
参加者には結果を自己報告するよう伝え、わざと不正行為をしやすくする機会を作りました。
3週間後に2回目のセッションを行いました。
同じ参加者が前回のセッションで報告した結果を、可能な限り正確に思い出すように促しました。
実験参加者の半数に、最初のセッションでの結果を過大報告した場合、自発的にお金の一部を返納する機会があると伝えておきました。
実験参加者が最も記憶喪失になりやすいのは、まさにこういう状況です。
彼らは再び道徳的な決定をしなければならないことを知っていた時、自分たちが1回目のセッションで行った不正行為をあまり正確に覚えていませんでした。
実験参加者は、不正に報告された結果を覚えておく事でより多くのお金を稼ぐ事ができる状況でした。
が、この事件を忘れることで彼らの評判を取り戻すことができるとわかった時、将来の道徳違反に対してより受け入れられるようになりました。


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