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「詳細を鮮明に想起する能力」と大きく関連している人生の目的意識
人生の目的意識を持つ事が、記憶力の向上に関わっているようです。
目的意識と、詳細を鮮明に想起する能力には関連がある、という趣旨の研究です。
Add an improved memory to the list of the many benefits that accompany having a sense of purpose in life.
参照元:https://news.fsu.edu/news/health-medicine/2021/10/06/fsu-researchers-find-sense-of-purpose-associated-with-better-memory/
– フロリダ州立大学 Florida State University. OCTOBER 6, 2021 –
人生の目的意識を持つことで得られる多くのメリットに、記憶力の向上が加わりました。
フロリダ州立大学の研究者たちが行った新しい研究によると、目的意識と詳細を鮮明に思い出す能力には関連性があることがわかりました。
その結果、目的意識と認知機能の両方が記憶を思い出しやすくする一方で、目的意識だけが鮮明さと一貫性というメリットをもたらすことがわかりました。
この研究は、COVID-19パンデミックに関連する記憶に焦点を当てたもので、Memory誌に掲載されました。
論文の筆頭著者である医学部のアンジェリーナ・スーティン教授は話します。
「個人的な記憶は、日常生活において非常に重要な役割を果たしています。個人の記憶は、私たちが目標を設定したり、感情をコントロールしたり、他人と親密な関係を築いたりするのに役立ちます。また、目的意識の高い人は、単語のリストを覚えるなど、客観的な記憶テストでも良い結果を出すことがわかっています。」
「私たちは、目的意識が、重要な個人的経験の記憶の質とも関連しているかどうかに興味を持ちました。なぜなら、そのような質が、目的意識がより良い精神的・身体的健康と関連する理由の一つであるかもしれないからです。」
約800名の参加者は、米国でコロナウイルスのパンデミックが発生する前の2020年1月から2月にかけて、目的意識を報告し、認知処理速度を測定する課題に取り組みました。
その後、公衆衛生上の危機が発生してから数カ月が経過した2020年7月に、パンデミックに関する個人的な記憶を取り出して説明する能力を測定しました。
その結果、人生の目的意識が強い参加者は、目的意識が低い参加者に比べて、記憶にアクセスしやすく、まとまりがあり、鮮明であったと報告しました。
また、目的意識の高い参加者は、感覚的な詳細を多く報告し、一人称視点で記憶を語ることが多く、記憶を呼び起こすように言われたときに、肯定的な感情を多く、否定的な感情を少なく報告しました。
また、抑うつ症状は、記憶の詳細を鮮明に思い出す能力にほとんど影響しないことがわかりました。
このことから、人生の目的と記憶の想起との関連は、目的意識の高い人に抑うつ症状が少ないことによるものではないと考えられます。
人生の目的は、記憶課題で正しく検索された単語の数など、エピソード記憶の改善と一貫して関連しています。
今回の研究では、こうした記憶との関連性に加えて、目的と個人の記憶の豊かさとの間にも相関関係があることが示されました。
共著者である医学部のMartina Luchetti助教授は話します。
「今回、COVID-19パンデミックに関連した記憶を思い出す能力を測定することにしたのは、パンデミックは誰もが経験した出来事ですが、それに対するさまざまな経験や反応が記憶に現れているはずだからです。」
これまでの研究では、記憶力の向上に加えて、死亡リスクの低下や心身の健康増進など、目的意識を持つことで多くのメリットが得られることがわかっています。
共同研究者のAntonio Terracciano教授は話します。
「記憶は、人々の幸福、社会的つながり、認知機能の維持に役立ちます。今回の研究では、目的意識と個人的な記憶の豊かさとの関係について、より深い洞察が得られました。今回の研究により、目的意識と個人的な記憶の豊かさとの関係について、より深い洞察が得られました。」
本研究には、FSU医科大学のポスドク研究者であるDamaris Aschwanden氏と、フランス・モンペリエのモンペリエ大学の研究者であるYannick Stephan氏が協力しています。
本研究は、米国国立衛生研究所の一部門である米国国立老化研究所から、賞番号R01AG074573の支援を受けています。


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