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ヒトの脳にも有益「長期間のペットの飼育は認知力低下を緩やかにする」
ペット療法などはポピュラーな治療な一つですが、実際にペットの飼育はヒトの脳にとっても良い事がありそうです。
研究者たちは、長期的なペットの飼育は認知力の低下を緩やかにする研究結果をまとめました。
Owning a pet, like a dog or cat, especially for five years or longer, may be linked to slower cognitive decline in older adults,
参照元:https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/4957
– 米国神経学会 American Academy of Neurology. February 23, 2022 –
犬や猫などのペットを飼っていること、特に5年以上飼っていることは、高齢者の認知機能の低下を緩やかにすることにつながる可能性があることが、2022年2月23日に発表された予備研究によって明らかになりました
研究著者ティファニーブラリー、MD、MS、アナーバーのミシガン大学医療センターと米国神経学会のメンバーは話します。
「先行研究では、人間と動物の絆は、血圧やストレスを減少させるなどの健康上の利点がある可能性が示唆されています。我々の結果は、ペットの所有はまた認知機能の低下に対して保護することができることを示唆している。」
この研究は、研究開始時に正常な認知能力を持っていた平均年齢65歳の高齢者1,369人の認知データを調べました。
合計53%がペットを所有し、32%が5年以上ペットを所有していると定義される長期的なペット所有者でした。
研究参加者のうち、88%が白人、7%が黒人、2%がヒスパニック、3%がその他の民族・人種でした。
研究者は、健康と退職研究、メディケア受益者の大規模な研究からのデータを使用します。
この研究では、人々に複数の認知力テストが行われました。
研究者は、これらの認知テストを使用して、ゼロから 27 の範囲の各人の複合認知スコアを開発します。
複合スコアには、引き算、数字計算、単語想起の一般的なテストが含まれていました。
次に研究者たちは、参加者の複合認知スコアを用いて、ペットの飼育年数と認知機能との関連を推定しました。
6年間にわたり、ペットを飼っている人の認知機能スコアの低下速度は緩やかでした。
この差は、長期間のペット飼育者で最も顕著でした。
また、認知機能に影響を与えることが知られている他の要因を考慮した結果、長期ペット飼育者は、非飼育者に比べて6年後の認知機能総合スコアが平均で1.2ポイント高いことが分かりました。
また、ペットを長期間飼育することによる認知機能の向上は、黒人、大卒、男性でより顕著であることがわかりました。
Braley氏は、これらの関連性の理由をさらに探るために、さらなる研究が必要であると述べています。
「ストレスは認知機能に悪影響を及ぼす可能性があるため、ペットの飼育がストレスを緩和する効果があることは、今回の調査結果の妥当な理由と考えられます。また、コンパニオンアニマルは運動量を増加させるので、認知機能の健康に役立つ可能性があります。とはいえ、我々の結果を確認し、この関連の根本的なメカニズムを明らかにするためには、さらなる研究が必要です。」
この研究の限界は、ペットの飼育期間が、ある時点でのみ評価されたため、継続的なペットの飼育に関する情報が得られなかったことです。
本研究は、2022年4月2日から7日にシアトルで直接開催される米国神経学会の第74回年次総会、および2022年4月24日から26日に仮想開催される米国神経学会の年次総会で発表される予定です。
本研究は、米国国立衛生研究所、米国国立心肺血液研究所、米国国立加齢研究所の支援を受けて実施されました。


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