全てが悪いものではない「ストレスが引き金となる睡眠効果」

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全てが悪いものではない「ストレスが引き金となる睡眠効果」

ストレスが引き金となる睡眠が、その後の不安への対処に役立つようです。

Stress boosts a kind of sleep in mice that subsequently relieves anxiety, according to new research that also pinpoints the mechanism responsible.

参照元:https://www.imperial.ac.uk/news/237752/sleep-triggered-stress-help-mice-cope/
– インペリアル・カレッジ・ロンドン Imperial College London. 30 June 2022 –

ストレスがマウスの睡眠を促進し、不安を和らげることが、そのメカニズムを特定する新たな研究で明らかになりました。

睡眠は哺乳類の間で類似しているため、人間の脳でも同じメカニズムが働いている可能性があります。

このメカニズムが解明されれば、人工的に睡眠の効果を高める方法が開発され、PTSDなどの持続的なストレス障害の治療につながる可能性があります。

ストレスで夜眠れなくなると思われがちですが、ある種のストレスは、実は睡眠を誘発するようです。

このたび、インペリアル・カレッジ・ロンドンと中国の研究機関の研究者らが主導する研究により、マウスの脳でこの現象がどのように起こるかが明らかにされました。

研究チームは、睡眠がどのように引き起こされるかを発見するとともに、マウスが経験した睡眠が、翌日の不安レベルを低下させることを報告しましました。

この研究成果は、本日発行された米国科学誌「サイエンス」に掲載されました。

私たち哺乳類が経験する睡眠には、大きく分けて2種類あります。

レム睡眠(REM睡眠、夢を見ることが多い)とノンレム睡眠(NREM睡眠、夢を見ない深い眠り)です。

PTSDの人はレム睡眠が少なく、レム睡眠が困難な感情やストレスの処理を助けるという説が有力です。

インペリアル大学生命科学部のビル・ウィスデン教授は、次のように述べています。

ウィスデン教授:今回の結果は、レム睡眠がストレスに対処するのに役立つという考えに重みを与えるものです。しかし、これまでは、レム睡眠を抑制する薬物など、レム睡眠を減少させる方法についてしか知られていませんでした。
今回、我々の研究は、レム睡眠が誘発されるメカニズムを明らかにしたので、正しいニューロンをターゲットにして、睡眠によるストレス解消力を高める薬物や他の介入への道を開いています。

研究者達は、人間のいじめのアナログとして使われる、「社会的敗北」と呼ばれる一種の心理社会的ストレスをマウスに引き起こしました。

マウスは、特に攻撃的なマウスにさらされた後(身体的な危害は加えられていない)、研究者は、ストレスを示す「飛行または戦闘」ホルモンが血中に上昇したことを確認しました。

その後、マウスが眠ったときに、研究者はマウスが持つニューロン(脳細胞)の活動を追跡しました。

その結果、ストレスホルモンの濃度を感知して反応し、NREM睡眠とREM睡眠の両方で高い睡眠を誘発する特定のニューロン群があることがわかりました。

これらのニューロンの活動、およびNREM睡眠とREM睡眠のレベルは、睡眠中の約5時間高いままであり、その間、ストレスホルモンを調節する他のニューロンにも信号を送り、それ以上放出されないようにブロックしていたのです。

このように、今回発見されたニューロンは、ストレスを感知して睡眠を誘発するだけでなく、ストレスホルモンを低下させる引き金にもなっていたのです。

研究チームは、マウスが目を覚ますと、不安反応を調べ、睡眠がストレス行動にどのような影響を及ぼしたかを確認しました。

これは、マウスが不安なときにする傾向がある、暗闇ではなく明るいところにいる時間を測定することで行われました。

また、睡眠不足のマウス(物体で刺激)や、新たに同定されたニューロンが障害され、通常のマウスがとる回復睡眠がとれなくなったマウスと、ストレスを受けたマウスの反応を比較しました。

すると、ストレスで睡眠をとれなかったマウスは、暗闇の中で過ごす時間が長くなり、不安感が増し、ストレスホルモンのレベルも高いままでした。

研究チームは、この新しいメカニズムを発見したことで、今後は、睡眠を介したプラス効果を高めるために、原因となるニューロンを選択的に標的にする方法を見つけたいとしています。

研究チームは、ウエルカム・トラストと英国認知症研究所の資金援助を受けています。

研究チームは、認知症と診断されると大きな心理的ストレスが生じるため、今回の研究が睡眠の効果を高める方法につながれば、新たな診断に対処する際にも役立つと期待しています。

また、認知症の人は感情的な障害に悩まされることが多く、レム睡眠を高めることで、このような苦痛を軽減できる可能性もあります。

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