連携も大事な脳

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部位も連携も大事な脳

脳は部位による機能も大事ですが、つながりも同様に大事のようです。神経学者は脳の働きに関する新しいモデルを提案します。

It’s not the individual brain regions but rather their connections that matter: neuroscientists propose a new model of how the brain works.
参照元：https://www.ru.nl/en/research/research-news/new-view-on-the-brain-its-all-in-the-connections
– ラドバウド大学ナイメーヘン校 Radboud University Nijmegen. 03 November 2022 –

脳の個々の領域ではなく、そのつながりが重要である：神経科学者が、脳の働きに関する新しいモデルを提案。この新たな見解により、脳の働きに個人差がある理由やそのメカニズムについて、より深く理解することが可能になります。

研究者らは、このモデルを2022年11月4日発行の『Science』誌の特集号で発表します。

右脳は創造性、左脳は合理的思考。

これは、脳の働きに関する古典的な考え方、すなわち、人間にはいくつかの脳領域があり、それぞれが特定の機能をもっているという考え方に由来する都市伝説です。

このような「モジュール式」の脳観は、もはや過去のものとなったとはいえ、多くの教科書に掲載されています。

しかし、ラドバウド大学のステファニー・フォークル氏とボルドー大学のミシェル・ティーバウト・ド・ショッテン氏という神経科学者によれば、脳の働きは別の見方をすべきなのだそうです。

脳の機能は、個々の脳部位に局在しているのではなく、脳部位間の交流から生まれているのです。

「話す」「読む」に不可欠な機能

フォークル氏：例えば、言語を考えてみてください。例えば、言語を考えてみてください。コミュニケーションをとるには、与えられた文脈の中で何を言われたかを非常に素早く理解し、相手によって異なる感情の意図を考慮する必要があります。もし脳がモジュール方式で機能していたら、これほど短時間にさまざまな言語計算を行うことはできないでしょう。

神経科学者によれば、結合は、脳の信号を増幅したり、減少させたり、脳の構造と機能を決定することができるそうです。

脳領域の接続パターンと認知作業中の活動には強い関係があります。

脳のつながりに基づいて、脳のどこにある機能が現れるかを予測することが可能なのです。

フォークル氏：識字を獲得する前の子どもの脳を見ると、神経経路からなる白質がすでに「古典的」な読書領域に接続されていることがわかります。

脳の違いに関するさらなる洞察

モジュール式脳に関する古典的な見解の重要な欠点は、個人間のばらつきを説明できないことです。

フォークル氏：誰もが異なる脳を持っており、それは私たちが知っている教科書的な脳とは全く異なります。これは、私が死後の脳を研究しているときに気づいたことです。神経画像研究では、参加者の脳をすべて標準的な脳に当てはめてしまうため、個人間のばらつきに対する洞察が失われることがほとんどです。これは、神経科学における現在の大きなトピックです。
新しいネットワークアプローチを用いれば、科学者は、例えば、進化に照らして、私たちの脳間のばらつきをモデル化することができます。白質を見てみると、私たちの脳（”爬虫類 “脳）では、古い部分はほぼ同じであることがわかります。一方、最近進化した部分は、私たちの間でより多様です。このことは、脳の進化を新しい枠組みで捉えています。

さらに、脳機能を調べる新しいアプローチは、臨床治療に大きな影響を与える可能性があります。

脳に病変があっても、何の症状もない患者さんや、思いもよらないような症状がある患者さんがいます。

ある研究では、病変が脳全体のネットワークにどのような影響を与えるかを調べ、そのネットワークパターンを使って、患者がどのような症状を持っているか、あるいは1年後にどのような症状が出るかを予測できることを示せました。