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ポテトチップスを1枚だけ食べるのは不可能?
ポテトチップスを1枚だけ食べるのは遺伝子的に不可能なようです。研究者グループは 高カロリー食品による肥満に関連する遺伝子メカニズムを解明しました。
High-calorie foods — high in fat, oil, and sugar — can taste good but often cause overeating, leading to obesity and major health problems. But what stimulates the brain to cause overeating?
参照元:https://www.omu.ac.jp/en/info/research-news/entry-20450.html
– 大阪府立大学 Osaka Metropolitan University. Dec 23, 2022 –
高カロリー食品(脂肪、油、砂糖を多く含む食品)は、おいしいが食べ過ぎの原因となり、肥満や重大な健康問題につながることが多いです。
しかし、何が脳を刺激して過食を引き起こすのでしょうか?
最近、CREB-Regulated Transcription Coactivator 1(CRTC1)と呼ばれる遺伝子が、ヒトの肥満と関連していることが明らかになってきました。
マウスでCRTC1を欠損させると肥満になることから、CRTC1が機能すると肥満が抑制されることが分かっています。
しかし、CRTC1は脳内のすべての神経細胞に発現しているため、肥満を抑制する特定の神経細胞と、その神経細胞に存在するメカニズムは不明でした。
そこで、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科の松村茂信准教授らの研究グループは、CRTC1が肥満を抑制するメカニズムを明らかにするため、メラノコルチン4受容体(MC4R)を発現する神経細胞に着目しました。
MC4R遺伝子の変異が肥満を引き起こすことが知られていることから、MC4Rを発現する神経細胞でCRTC1が発現すると、肥満が抑制されるという仮説を立てました。
そこで、MC4Rを発現する神経細胞以外ではCRTC1を正常に発現するマウス系統を作り、その神経細胞でCRTC1を失うことが、肥満や糖尿病に及ぼす影響を調べた。
標準的な食事を与えた場合、MC4R発現ニューロンにCRTC1を持たないマウスは、対照マウスと比較して体重に変化が見られませんでした。
しかし、CRTC1欠損マウスを高脂肪食で飼育すると、過食した後、コントロールマウスよりも有意に肥満になり、糖尿病を発症しました。
松村教授は話します。
松村教授:今回の研究により、CRTC1遺伝子が脳内で果たす役割が明らかになり、高カロリー、高脂肪、高糖分の食品を食べ過ぎないようにするメカニズムの一端が解明されました。人が食べ過ぎてしまう原因の解明につながると期待しています。


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