火傷の回復を早め炎症を抑える「光生体調節療法」

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火傷の回復を早め炎症を抑える「光生体調節療法」

光生体調節療法が、細胞の成長と分裂を制御するタンパク質である内因性TGF-β1を活性化し、マウスの火傷の回復を早め、炎症を抑える事がわかりました。

Light therapy may accelerate the healing of burns.

参照元:http://www.buffalo.edu/news/releases/2021/08/003.html
– バッファロー大学 University at Buffalo. August 5, 2021 –

バッファロー大学が主導した研究によると、光治療は火傷の治癒を促進する可能性があるそうです。

Scientific Reports誌に掲載されたこの研究では、光生体調節療法(痛みを和らげ、治癒と組織再生を促進する低線量光療法)が、細胞の成長と分裂を制御するタンパク質である内因性TGF-β1を活性化することにより、マウスの火傷の回復を早め、炎症を抑えることが明らかになりました。

今回の研究成果は、世界で年間600万人以上が罹患している火傷の治療に影響を与える可能性があると、UB歯学部の口腔生物学助教授であるPraveen Arany博士は述べています。

「光バイオモジュレーション療法は、がんの支持療法、加齢黄斑変性症、アルツハイマー病などで有効に活用されています。これらの病気に共通する特徴は、炎症が中心的な役割を果たしていることです。今回の研究では、光バイオモデュレーションによって活性化されたTGF-β1が、炎症を緩和しながら組織の再生を促進することを、トランスジェニックな火傷モデルを用いて実証しました。」

「この研究では、第3度熱傷の閉鎖に対する光バイオモジュレーションの効果を9日間にわたって測定しました。この治療により、TGFβ1が刺激され、線維芽細胞(組織の修復に重要な役割を果たす体内の主要な結合組織細胞)やマクロファージ(炎症を抑え、細胞の破片を掃除し、感染と戦う免疫細胞)など、治癒に関与するさまざまな種類の細胞が活性化されました。」

「また、光バイオモジュレーション治療のための正確な熱傷治癒プロトコルを開発し、レーザーの使用によって不用意に追加の熱傷が発生しないようにしました。光バイオモジュレーションによる疼痛治療と治癒促進の効果は、何百もの臨床試験と何千もの学術論文で証明されています。」

「光バイオモジュレーション療法は、がんに伴う口腔粘膜炎(口腔内の炎症や病変)の痛みを和らげる標準的な治療法として、Multinational Association for Supportive Care in Cancer(国際がん治療支援協会)から推奨されています。」

本研究には、米国国立がん研究所のImran Khan博士(筆頭著者、スタッフサイエンティスト)、Khyber Medical University, PeshawarのSaeed Ur Rahman博士(助教授)、Elieza Tang博士(歯科医師)、アボット社のKarl Engel氏(シニアフィールドクリニカルスペシャリスト)、米国国立歯科口腔顔面研究所のBradford Hall博士(スタッフサイエンティスト)、Ashok Kulkarni博士(シニアサイエンティスト)らが参加しています。

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