スモッグが多いと成績が下がる「大気汚染が認知能力に及ぼす影響」

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スモッグが多いと成績が下がる「大気汚染が認知能力に及ぼす影響」

スモッグが多いと学生の成績が下がるようです。
ブラジルを舞台に、大気汚染が認知能力に及ぼす影響を調べた秀逸な研究です。

The findings suggest that an increase of 10 micrograms per cubic meter (mg/m3) of PM10 on the day of the examination decreases students’ scores by 6.1 points (8% SD).

参照元:https://www.journals.uchicago.edu/journals/jaere/pr/210930/
– シカゴ大学出版局ジャーナル University of Chicago Press Journals. September 29, 2021 –

Journal of the Association of Environmental and Resource Economists誌に掲載された新しい研究は、ブラジルの全国的な大学入学試験日の屋外大気汚染レベルと学生の認知能力との因果関係について調べたものです。

The Effects of Air Pollution on Students’ Cognitive Performance: Evidence from Brazilian University Entrance Tests」では、著者のJuliana Carneiro、Matthew A. Cole、Eric Stroblが、オゾン(O3)と粒子状物質(PM10)の濃度に関するブラジルのデータと、学生の成績のデータセットを用いて、大気汚染が国家試験の学業成績に与える影響を検証しています。

大気汚染データは、ブラジルで最も工業化が進んでいるリオデジャネイロ州とサンパウロ州に焦点を当て、大気汚染と気象観測所のデータを用いて、2015年から17年にかけて独自のデータパネルを構築しました。

著者らは、3年間の試験日の2日間について個人レベルのパネルデータを作成し、内生性の懸念に対処するために学生の固定効果を適用しました。

さらに、リオデジャネイロ州とサンパウロ州の自治体間で、PM10の空間的・時間的変動が外生的であると考えられることを利用し、風向きに基づく操作変数法を用いました。

その結果、試験当日にPM10が1立方メートルあたり10マイクログラム(mg/m3)増加すると、学生のスコアが6.1ポイント(8%SD)低下することが示唆されました。

著者らは指摘します。

「PM10がWHOの許容値を超えた日を考慮してダミー変数を利用するという、より柔軟な処置を含めても、今回の結果は、大気汚染が試験中の認知能力に悪影響を及ぼすことを示しています。」

プラセボテスト、感度チェック、偽装テストを行った結果、大気汚染と試験成績の間に関連性があるという主要な発見が補強されました。

また、これまでの研究と同様に、大気汚染が試験の成績に及ぼす影響は、女性よりも男性の方が悪影響を及ぼすようだという証拠も得られました。

著者らはまとめます。

「今回の結果は、貧しい学生が裕福な受験生よりも大気汚染の影響を受けやすいことを示唆しています。今回の調査結果は、大気の質が悪いと認知能力が阻害される可能性があるが、それは不平等であることを示唆するもっともな証拠です。」

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