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増加している「見知らぬ人同士の協力」
1950年代以降、見知らぬ人同士の協力が増加しているようです。
Despite common concerns that the social fabric is fraying, cooperation among strangers has gradually increased in the U.S. since the 1950s, according to research published by the American Psychological Association.
参照元:https://www.apa.org/news/press/releases/2022/07/cooperation-among-strangers
– 米国心理学会 American Psychological Association. July 18, 2022 –
米国心理学会が発表した研究によると、社会基盤がほころびつつあるという一般的な懸念にもかかわらず、米国では1950年代以降、見知らぬ人々の間の協力が徐々に増加しています。
主任研究者の北京師範大学の社会心理学の教授、Yu Kou博士は話します。
Kou博士:というのも、多くの人が、米国社会は社会的なつながりが薄れ、信頼が薄れ、共通善に対するコミットメントが薄くなっていると考えているからです。社会内や社会間の協力関係が強まれば、パンデミックへの対応や気候変動、移民の危機など、グローバルな課題に取り組むことができるようになるかもしれません。
研究者達は、1956年から2017年の間に米国で行われた、合計63,000人以上の参加者による511の研究を分析しました。
それらの研究には、見知らぬ人同士の協力を測定する実験室実験も含まれていました。
この研究は、Psychological Bulletin誌のオンライン版に掲載されました。
研究の結果、61年の期間にわたって協力が少しずつ増加していることがわかり、これは米国社会における顕著なシフトと関連している可能性があると研究者は述べています。
協力の増加は、都市化、社会の富、所得格差、一人暮らしの人の数の増加と関連していました。
この研究は、これらの要因が協力の増加を引き起こしたことを証明することはできないが、相関関係があることだけは確かです。
先行研究において、協力の増加は市場競争力と経済成長に結びついています。
都市部での一人暮らしが増えるにつれ、見知らぬ人と協力せざるを得なくなるのかもしれない、と研究の共著者であるアムステルダム自由大学の社会心理学教授、ポール・ヴァン・ラング博士は述べてイます。
ラング博士:人々は徐々に友人や知人との協力を見知らぬ人にまで広げることを学ぶ可能性があり、それはより都市で匿名の社会で求められています。アメリカ社会は、より個人主義的になったかもしれませんが、人々はそうではありません。
分析された研究は、主に大学生を被験者とした研究室でのものであり、この結果は、現実の状況や米国社会全体を代表するものではないかもしれません。
しかし、研究者らは、先行研究において、米国では性別や民族によって協力の度合いに差があることは発見されていないと述べています。
この研究では、見知らぬ人に対する信頼度など、他の社会的要因も測定していない。先行研究では、米国では数十年の間に信頼が一般的に低下していることが判明しています。
「この研究結果は、アメリカ人の協力態度は時間とともに高まっているが、他人が協力する意思を持っているかどうかについては、実際には低下していることを示唆している」と、同誌は述べています。


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