Tweet

Pocket

4,000年に一度の希少な彗星が地球に流星群をもたらす可能性

4000年に一度の頻度で回帰することが知られている彗星の軌道上にある破片からの流星群が、地球軌道の近くを通過するようです。

“Until recently, we only knew five long-period comets to be parent bodies to one of our meteor showers,” said Jenniskens, “but now we identified nine more, and perhaps as many as 15.”

参照元：https://www.seti.org/press-release/rare-4000-year-comets-can-cause-meteor-showers-earth
– SETI研究所 SETI Institute. May 20, 2021 –

太陽の周りを非常に細長い軌道で回る彗星は、破片を軌道に沿って非常に薄く広げたり、太陽系外に放出したりするため、その流星群を検出するのは難しいです。

今回、Icarus誌に掲載された流星群の調査結果によると、地球軌道の近くを通過し、4000年に一度の頻度で回帰することが知られている彗星の軌道上にある破片からの流星群を検出することができました。

SETI研究所のピーター・ジェニスケンス主任研究員は話します。

「これにより、紀元前2,000年頃に地球軌道付近を通過していた危険性のある彗星に対する状況認識が可能になりました。」

ジェニスケンス氏は、Cameras for Allsky Meteor Surveillance (CAMS) プロジェクトのリーダーで、夜空に浮かぶ可視流星を低照度ビデオカメラで観測して三角測量を行い、流星の軌道を測定しています。

現在、本論文の共著者を中心に、9カ国でCAMSネットワークが構築されています。

近年、オーストラリア、チリ、ナミビアに新たなネットワークが加わり、三角測量による流星の数が大幅に増加しました。

これらのネットワークが加わったことで、夜空の流星群の全体像がより良く、より完全に把握できるようになりました。

ジェニスケンス氏は話します。

「最近まで、流星群の母天体である長周期彗星は5つしか知られていませんでしたが、今回は9つ、おそらく15もの長周期彗星が確認されました。」

彗星は地球上の衝突天体のごく一部にすぎませんが、研究者たちは、彗星が地球の歴史の中で最も大きな衝突現象を引き起こしたと考えています。

それは、彗星のサイズが大きいことと、彗星の軌道が高速で衝突できるようなものであることが理由です。

ジェニスケンス氏は話します。

「将来的には、さらに多くの観測を行うことで、より暗い彗星を検出したり、より長い軌道を回る親彗星の軌道を追跡することができるかもしれません。」

CAMSのネットワークは、毎晩、彗星の破片が地球の大気に突入する方向を決定します。

マップは、流星群を色のついた塊で表示するインタラクティブな天球上に作成されます（http://cams.seti.org/FDL/）。

その塊をクリックすると、太陽系内の軌道を測定した結果が表示されます。

ジェニスケンス氏は話します。

「これが肉眼で見ることのできる流れ星です。”流れ星の接近方向を追跡することで、この地図は空と私たちの周りの宇宙をまったく違った角度から見せてくれるのです。」

データを分析した結果、長周期彗星の流星群は何日も続くことがわかりました。

ジェニスケンス氏は話します。

「これには驚きました。これは、これらの彗星が過去に何度も太陽系に戻ってきて、その間に軌道が徐々に変化していったことを意味しているのでしょう。」

また、データによると、最も分散した流星群では、小さなメテオロイドの割合が最も高いことが分かりました。

ジェニスケンス氏は話します。

「最も分散した流星群は、おそらく最も古い流星群でしょう。このことは、大きな流星群が時間の経過とともに小さな流星群に分解されることを意味しているのかもしれません。」

Tweet

Pocket