
新着記事
ガラスなどの無秩序配列素材の振動拡散理論
筑波大学の研究チームが、無秩序な材料を介した振動の広がりの理論モデルを構築しました。
研究は、素材の無秩序の程度が増すにつれ音の伝導が少なくなり非干渉的に拡散し始めるというものです。
電子デバイス落下時などのガラスの飛散防止や耐熱などの研究に役立つことが期待されます。
Tsukuba, Japan – A team of researchers lead by the University of Tsukuba have created a new theoretical model to understand the spread of vibrations through disordered materials, such as glass. They found that as the degree of disorder increased, sound waves traveled less and less like ballistic particles, and instead began diffusing incoherently. This work may lead to new heat- and shatter-resistant glass for smartphones and tablets.
参照元:https://www.tsukuba.ac.jp/en/research-news/20210108140100.html
– 筑波大学University of Tsukuba. Jan 08, 2021 –
筑波大学が率いる研究者チームは、ガラスなどの無秩序な材料を介した振動の広がりを理解するための新しい理論モデルを作成しました。
彼らは、無秩序の程度が増すにつれて、音波が弾道粒子のように伝わることが少なくなり、代わりに非干渉的に拡散し始めることを発見しました。
この作業は、スマートフォンやタブレット用の新しい耐熱性および飛散防止ガラスにつながる可能性があります。
材料の可能な振動モードを理解することは、その光学的、熱的、および機械的特性を制御するために重要です。
アモルファス材料を介した単一周波数の音の形での振動の伝播は、粒子であるかのように統一された方法で発生する可能性があります。
科学者はこれらの準粒子を「フォノン」と呼ぶのが好きです。
ただし、材料が乱れすぎると、この近似が崩れる可能性があり、さまざまな状況下でガラスの強度を予測する能力が制限されます。
現在、筑波大学が率いる科学者のチームは、実験データとよりよく一致してガラスで観察された振動を説明する新しい理論的枠組みを開発しました。
彼らは、振動を個々のフォノンとして考えることは、長波長の限界でのみ正当化されることを示しています。
より短い長さのスケールでは、無秩序は散乱の増加につながり、音波はコヒーレンスを失います。
著者の森達也教授は説明します。
「これらの励起は、フォノンの方向性のある運動ではなく、振動のインコヒーレントな拡散を表すため、「拡散」と呼ばれます。」
実際、低周波数の方程式は、流体の挙動を説明する流体力学の方程式のように見え始めます。
共著者のケンブリッジ大学のアレッシオ・ザッコーネ教授とマッテオ・バッジョリ教授は話します。
「私たちの研究は、この現象が音響フォノンに固有のものではなく、無秩序な物質内の他の種類の励起で発生する可能性のある一般的な現象を表しているという見解を支持しています」
今後の作業では、スマートデバイス用ガラスの耐久性を向上させるために、無秩序の影響を利用する可能性があります。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!
関連記事
-
宇宙から世界の貧困を探る2022.05.11
-
自動化工場などの緊急事態に備えて知識を生かしておく方法2022.05.09
-
社会の回復力を評価する「社会システムと水の供給量の関連」2022.05.06
-
免疫療法反応を高める「樹状細胞を活性化するビタミンE」2022.04.25
-
あなたの愛犬は何歳?「犬の健康と長寿に関するデータセット」2022.02.15
-
大きさも方角も把握「人間の聴覚レベルと同等のコンピュータモデル」2022.02.14
-
失敗率を大幅に下げることができる?「精液の天然ゲルを使用した避妊薬」2022.02.11
-
個人の健康管理の新しい方法を提供する「ブロックチェーンNFT」2022.02.08
新着記事
-
マッチングサービスに経済学「生徒と学校のマッチングを改善するモデル」2022.05.21社会
-
時間はかかるが習得率が高い「習得における変動性の役割」2022.05.20学習
-
やりすぎ注意「過度のスポーツトレーニングは気分に悪影響を与える」2022.05.19人体・脳
-
食料や土地の変革によって可能性が見えてくる「 世界の食料システムを排出量ゼロ 」2022.05.18社会
-
ポジティブな感情を強化、ネガティブな感情を保存「睡眠が感情を処理する仕組み」2022.05.17健康
-
人間に新しいことを学ぶ柔軟性と集中力を与える「しまった!という感覚」2022.05.16人体・脳
-
活用方法には注意が必要「ソーシャルメディアの付き合い方とメンタルヘルス」2022.05.15健康
-
より賢明な判断を下せるようになる「他人の行動を観察する」2022.05.14思考・瞑想
-
生徒が先生になる「反転授業のものすごい効果」2022.05.13学習
-
燃え尽き症候群になりやすい「1種の競技に打ち込む選択肢」2022.05.12健康
よく読まれている記事
N E W S & P O P U L A R最 新 記 事 & 人 気 記 事
WHAT'S NEW !!
-
マッチングサービスに経済学「生徒と学校のマッチングを改善するモデル」
【マッチングサービスに経済学「生徒と学校のマッチングを改善するモデル」】 多くの学生は居住所そばの小中学校に通いますが、自由に選択できるとしたら混乱になるでし... -
時間はかかるが習得率が高い「習得における変動性の役割」
【時間はかかるが習得率が高い「習得における変動性の役割」】 何かを習得する時、繰り返しソレを繰り返しますか?それとも多岐に富んだメニューをこなしますか?科学者... -
やりすぎ注意「過度のスポーツトレーニングは気分に悪影響を与える」
【やりすぎ注意「過度のスポーツトレーニングは気分に悪影響を与える」】 過度のスポーツトレーニングは気分に悪影響を及ぼす可能性があります。 Maintaining reasonabl... -
食料や土地の変革によって可能性が見えてくる「 世界の食料システムを排出量ゼロ 」
【食料や土地の変革によって可能性が見えてくる「 世界の食料システムを排出量ゼロ 」】 経済の成長は、環境にとって有害でしょうか?科学者たちは、脱成長が食料セクタ...
-
なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか
【なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、手書きの方が物事をよく覚えることが判明しました。 様々なコンピュ... -
「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測
【「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測】 ベイズ統計学を用いると、最長寿記録122歳という世界記録はほぼ確実に破られ、125歳から1... -
記憶が脳に保存される新しい理論「MeshCODE理論」が開発される
ケント大学の研究チームは、記憶が脳に保存される新しい理論、MeshCODE理論を発表しました。この理論は、アルツハイマー病などの脳疾患の治療に役立つ可能性があります...
News
- 新着記事 -
Popular
- 人気記事 -
H A P P I N E S S幸 福
人気 (❁´ω`❁)
M E A L食 事
B R A I N脳
人気 (❁´ω`❁)
H E A L T H健 康
人気 (❁´ω`❁)
-
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
人体・脳
寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由
【寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由】 ウィーン医科大学の研究チームが、寒冷化においてヒトとマウスのビタミンAのレベルが上昇する事を発見しました。 ビタミンAは...
-
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
人体・脳
寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由
【寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由】 ウィーン医科大学の研究チームが、寒冷化においてヒトとマウスのビタミンAのレベルが上昇する事を発見しました。 ビタミンAは...