企業が「わざと暗い性格の上司を雇う」驚愕の理由

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企業が「わざと暗い性格の上司を雇う」驚愕の理由

メリーランド大学などの研究者らが共同研究した結果、企業は利益管理のために暗い性格の人を採用しているかもしれないという傾向が有ることがわかりました。ここでいう「暗い性格」特性とは、「倫理観に疑問がある」「自己愛が強い」などです。

The research involved three experiments in which different actions were measured. In one experiment, for example, the participants were specifically asked to rate the candidates based on dimensions such as the candidate’s ability to manage people and relationships. The only dimension in which candidates with dark personalities were rated higher than their counterparts was in manipulation of ethical boundaries.
参照元：https://www.rhsmith.umd.edu/smithresearch/research/unveiling-dark-side-business
– メリーランド大学 University of Maryland. Mar 04, 2021 –

企業は、悪い上司をわざと雇っているかもしれません。

Journal of Business Ethics誌に掲載された新しい研究によると、上司を悪者にする「暗い」性格特性（倫理観に疑問がある、自己愛が強いなど）は、収益の操作に協力する可能性を高め、そもそもその上司が仕事を得た理由かもしれません。

ニック・セイバート氏（メリーランド大学ロバート・H・スミス・スクール・オブ・ビジネス）、リン・ハリス氏（ネブラスカ大学リンカーン校）、スコット・ジャクソン氏（サウスカロライナ大学）、ジョエル・オーウェンズ氏（ポートランド州立大学）は、管理会計の幹部候補を採用するプロセスと、その企業の収益管理手法（企業が利益を誇張する傾向）との関係を研究しました。

調査の結果、企業が積極的に利益を報告する必要がある場合、経験豊富な経営者や採用担当者は、他人の意見を聞き、強い倫理観を持つ候補者よりも、暗い性格特性を持つ候補者の採用を勧める傾向があることがわかりました。

会計学の教授であるセイバート氏は話します。

「暗い性格は、強力なリーダーのステレオタイプに適合する管理者を選んだ結果、偶然に生じた副産物だと思われがちです。しかし、私たちの調査では、これは偶然ではないことが多いことがわかりました。」

Recruiting Dark Personalities for Earnings Management」の研究では、異なる行動を測定する3つの実験が行われました。

例えば、ある実験では、参加者は、候補者の人間管理能力や人間関係などの側面から候補者を評価するよう求められました。

その結果、暗い性格の候補者が他の候補者よりも高く評価されたのは、倫理的な境界線を操作する能力だけでした。

セイバート氏は話します。

「多くの人は、このような管理職は、自己アピール力、昇進力、人間力、自信などが優れているに違いないと思っています。しかし、私たちの研究はそうではないことを示しています。」

この研究の基本的な考え方は、こうした暗い性格の人は、特定の悪意のある目的を果たすことができるということだとセイバート氏は言います。

企業が収益を膨らませなければならないと感じているとき、暗い性格の人は、まさにそのために権力のあるポジションに就く可能性が高いのです。

その結果、マネジメント能力や組織力、人間力に優れた候補者が管理職に抜擢されてしまうのです。

セイバート氏らの研究は、実際のビジネスでの採用環境をシミュレートするために、経験豊富なエグゼクティブやエグゼクティブ・リクルーターを候補者の評価に採用したという点でユニークです。