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社会経済的な格差がある「経口免疫療法の認知度」
食物アレルギー患者の多くは経口免疫療法を知らない事がわかりました。
さらに、食物アレルギーに対する経口免疫療法の認知度に社会経済的な格差があるようです。
clinically, and socioeconomically diverse, nationally-representative sample of US households — including both adult patients and caregivers of children with food allergy — found that 72 percent did not know what oral immunotherapy (OIT) was prior to the survey.
参照元:https://www.luriechildrens.org/en/news-stories/many-with-food-allergies-dont-know-about-oral-immunotherapy-treatment-option/
– アン&ロバート・H・ルーリー小児病院 Ann & Robert H. Lurie Children’s Hospital of Chicago. September 01, 2021 –
食物アレルギーを持つ成人患者とその介護者を含む、地理的、臨床的、社会経済的に多様な米国の家庭を対象とした調査では、72%が調査前に経口免疫療法(OIT)を知らなかったことがわかりました。
また、OITの認知度は、教育水準の高い富裕層に偏っていることがわかりました。
このことは、食物アレルギーを持つすべての患者さんに対して、より公平な情報提供活動と、これらの治療法へのアクセス拡大が必要であることを示しています。
本研究成果は、Journal of Allergy and Clinical Immunology誌に掲載されました。In Practice」に掲載されました。
食物アレルギーは、米国では小児の約8%、成人の約10%が罹患している深刻な問題です。
現在、推奨されている食物アレルギーの管理方法は、原因となる食物を厳格に回避し、エピネフリンをすぐに使用できるようにすることです。
これは、生活の質を損ない、経済的な負担を強いるだけでなく、誤って摂取した場合に生命を脅かすアナフィラキシーを引き起こす可能性があるため、患者や家族にとって大きな課題となっています。
2020年、FDAは、ピーナッツ粉を原料とした医薬品であるパルフォルジア®をOITに使用することを承認し、4~17歳のピーナッツアレルギー患者の治療薬として初めて承認されました。
シカゴのAnn & Robert H. Lurie Children’s Hospitalの小児科医で食物アレルギーの研究者であり、ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の小児科教授でもある上席執筆者のRuchi Gupta(MD、MPH)氏は話します。
「最新の疫学データによると、米国の食物アレルギー児の約半数は、黒人、ヒスパニック系、ラテン系、多民族のいずれかで、社会経済的地位が低いために専門的な治療を受ける機会が少ないことがわかっています。このような子どもたちにも、最近の食物アレルギー治療の進歩の恩恵を受けられるように、経口免疫療法の認知度を高めることが重要です。」
調査は、全米50州の781名の回答者によって行われました。この調査に参加するためには、医師が診断した食物アレルギーがあることが条件となっています。
コミュニティ・プログラム&教育担当副社長のAnita Roach(MS、FARE)氏は話します。
「当社のコミュニティ・アクセス・イニシアチブは、今回の調査で見つかったような障壁を理解し、ニーズに対応するプログラムやリソースを開発することに努めています。収入や教育レベルが食物アレルギーのケアやサポートを受けるための要因であってはなりません。」
本研究は、食物アレルギーの研究・教育に特化した最大の民間助成団体であるFAREの支援を受けています。
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