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顔色を見ればわかる、は間違い?「子供の感情を読み取り評価するツール」
小学生期の子供の感情を正確に認識できるか評価するツールが登場しました。
子供の顔色を見れば子供の事がわかる、と主張する大人がしばしば間違える事もある事を浮き彫りにするものです。
The technique will facilitate research on understanding emotions of children — and highlights the fact that adults are often wrong when assessing the emotions of children.
参照元:https://news.ncsu.edu/2021/11/assessing-kids-emotions/
– ノースカロライナ州立大学 North Carolina State University. November 2, 2021 –
ノースカロライナ州立大学の心理学研究者らは、小学生の子供の感情をどれだけ正確に認識できるかを評価する新しいツールを開発し、検証しました。
この手法は、子どもの感情を理解するための研究を促進し、大人が子どもの感情を評価する際にしばしば間違っているという事実を浮き彫りにするものです。
子供の感情を認識する能力を測定する新しいツールは、「Percive Task」と呼ばれています。
これは「Perceptions of Children’s Emotions in Videos, Evolving and Dynamic Task」の略です。
この評価では、72人の子役が6つの感情を表現したビデオクリップを大人が確認します。
このツールは、それぞれの感情における子どもの人種と性別のバランスをとるものです。
この研究に関する論文の筆頭著者であり、NC州立大学の心理学教授であるAmy Halberstadt氏は話します。
「このツールによって、私たちが感情に関連したバイアスを持っているかどうかを特定することができます。例えば、黒人の子供が怒っていると誤って認識する可能性が高いことは、複数の研究で示されています。」
「しかし、他の形のバイアスを調べることもできます。例えば、ある性別の子供は幸せだと思う傾向が強いのか?また、一般的に子どもは幸せだと思う人が多いのか、それとも惨めな小さな生き物だと思う人が多いのか、といったバリエーションを調べることもできます。」
研究者たちは、477人の成人を対象とした4つの研究でPercived Taskを検証しました。
このツールは、これまでの評価に比べて、より多くの子どもたち、そしてより多様な人種の子どもたちを対象としています。
さらに、それぞれの感情表現について、専門家による検証を行いました。
Halberstadt氏は話します。
「つまり、このツールは、人々が子どもの感情をどのように認識しているかを判断するための、最も堅固な評価ツールであることが実証されたのです。」
しかし、研究者にとっての有用性だけでなく、親や教師、介護者にとっても、この研究から得られるメッセージがあるとHalberstadt氏は述べています。
「私たちは、子どもの感情を評価する際に誤りを犯します。「だからこそ、子どもたちに何を感じているのかを聞く必要があるのです。また、子どものある感情を見分けるのが得意だからといって、他の感情を見分けるのが得意だとは限りません。」
この論文の共著者であるアリソン・クックも話します。
「子どもの感情を見分けるのは、自分が思っているほど上手ではありません。ですから、子どもの顔を見ただけで、その子の気持ちがわかると早合点してはいけません。」
この論文「Percived: PerCEIVED: Perceptions of Children’s Emotions in Videos, Evolving and Dynamic Task」は、ジャーナル「Emotion」に掲載されています。
NC州の元博士課程の学生で、現在はUCLA/Duke National Center for Child Traumatic Stressに所属するCookeは、この論文のcorresponding authorです。
この論文は、NC州の博士課程の学生であるCourtney HaganとXi Liuが共同で執筆しました。
本研究は、ウィリアム・T・グラント財団(助成金184516)および米国国立小児保健・人間開発研究所(助成金T32-HD07376)の支援を受けて行われました。


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