学習する仕組みの解析が進む「脳の感覚処理センターが果たす役割 」

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学習する仕組みの解析が進む「脳の感覚処理センターが果たす役割 」

楽器を演奏したり、高度な身体のパフォーマンスをしたり、私たちの身体は外界からの情報を常に取り入れて対応し学習し技術を得ています。
科学者たちは、外界から刺激が最初に脳にやってくる領域について語ります。

Your brain is processing new sensations from the outside world — how the instrument feels, sounds, looks — and making decisions, based on those sensory signals, on what your muscles should do next.

参照元:https://research.gatech.edu/exploring-signals-underlie-learning
– ジョージア工科大学 Georgia Institute of Technology. FEB 03, 2022  –

テニスラケットの振り方や楽器の演奏など、何か新しいことを学び始めると、簡単な作業でも難しく感じることがあります。

ギターのコードチェンジをするにも、最初は多くの思考と集中力が必要です。

脳は、楽器の感触、音、見た目など、外界からの新しい感覚を処理し、その感覚信号に基づいて、次に筋肉が何をすべきかを判断しているのです。

でも、練習すれば完璧になりますよね?経験を積むと、音楽の微妙なニュアンスを聞き分け、より少ない労力で弦を感じることができるようになります。

神経工学者のギャレット・スタンレー氏は、音楽を演奏することもありますが、それよりも、適応的行動の根底にある神経細胞のプロセスに興味を持っています。

ジョージア工科大学およびエモリー大学のウォレス・H・コールター生物医学工学科教授でマッカミッシュ財団特別講座のスタンレー氏は話します。

スタンレー氏:常に変化する感覚環境における適応行動は、新しい趣味を学ぶときだけに役立つわけではありません。生きるために重要なことなのです。

このことを念頭に置いて、スタンレー教授の研究室は、マウスの適応行動に相関する神経シグナル伝達を綿密に研究し、彼らが発見したことは、学習を改善し加速するための新しい戦略への第一歩となり得ます。

2022年1月27日付けの『Nature Communications』誌に掲載されたこの研究は、従来、基本的な感覚シグナルの中枢と考えられてきた脳の領域(一次体性感覚皮質)が、意思決定においてより深い役割を果たし、個人が経験を積むことで柔軟な行動ができるようにする脳内の適応的枠組みの一部であることを示唆しています。

この研究の筆頭研究者であるクリスチャン・ヴァイブリンガー氏は、一次体性感覚皮質(S1)を、外界からの触覚刺激が到達する脳の「初期」領域と説明しています。

ヴァイブリンガー氏:S1は特に、基本的な方法で刺激を前処理すると考えられています。それは伝統的に、長期的な適応戦略に関連する、より複雑な神経プロセスとは関連していません。

しかし、科学者達は、長い間、この初期の領域が、より高度な機能において重要な役割を果たすかもしれない、そして、それは、異なる脳構造にまたがるより大きな枠組みの一部であると推測してきました。

この考えは、ほとんど概念的、理論的なものにとどまっており、それを裏付ける実験的証拠はほとんどありませんでした。

今回、スタンレー研究室は、いくつかの証拠を得ることができました。

研究チームは、変化する刺激に反応して課題を学習する高度に訓練されたマウスの脳活動を測定するため、遺伝子コード化された電圧イメージングを生体内で使用しました。

この手法により、脳内の電圧感受性蛍光タンパク質を追跡しながら、非侵襲的に脳信号を記録することができます。

研究チームは、マウスを評価するために一連の心理物理学実験を計画し、ウィスカー刺激への反応、報酬の獲得、変化する刺激への適応など、変化する環境下でマウスがどのように行動するかを観察しました。

そして、このマウスに関連するニューロンシグナルを測定しました。

ウェイブリンガー氏:私たちが発見したのは、(S1)脳領域が時間とともにその活動を変化させるということです。そして、数週間から数ヶ月の間に、マウスに経験依存的な効果が見られました。動物が、変化する感覚の風景を経験すればするほど、この脳領域は変化し、適応していったのです。
S1は、触覚刺激を前処理して、その基本的なタスクに関連する主要なニューロン信号を生成していただけでなく、動的に変化する環境での適応行動に必要な、より複雑な信号を伝達していたのです。

スタンレー氏:この領域は、これらの信号を受信する大脳皮質の最初の部分であり、すべてがそこにルーティングされているようなものです。大脳皮質のさらに奥には、より高度なことが起こるはずの場所、つまり、意思決定を必要とする認知的なことが起こる場所なのです。

一次体性感覚皮質と同じように、この研究も氷山の一角に過ぎないのです。しかし、この研究は研究チームに新たな仮説をもたらしたと、ウェイブリンガー氏は言います。

ウェイブリンガー氏:ある事柄についてより経験を積んでいくと、より高度な機能が、脳の階層を下っていくにつれて、もう少し早い段階で生じるようになるのです。

次に、スタンレー氏は、他の脳領域についてさらに調査を進めるそうです。

スタンレー氏は、体外から発信され、経験を積むにつれて脳の階層を移動していく情報の流れを理解したいと考えています。

スタンレー氏:これを利用し、何らかの方法で操作することができれば、学習効果を高めることができるかもしれません。この現象を理解できれば、人々の学習方法に影響を与え、より速く、より良いものにできるかもしれません。

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