反社会的行動を減少させる「10代の芸術活動」

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反社会的行動を減少させる「10代の芸術活動」

反社会的行動を取る10代について行われた研究で、芸術活動は反社会的行動を減少させる可能性がある事がわかりました。

Teenagers who take part in arts and cultural activities, such as dance, drama, reading and going to concerts, are less likely to engage in antisocial and criminalised behaviour up to two years later,

参照元:https://www.ucl.ac.uk/news/2022/mar/arts-activities-may-improve-self-control-and-reduce-antisocial-behaviour-among-teenagers
– ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン University College London. 23 March 2022 –

ダンス、演劇、読書、コンサート鑑賞などの芸術文化活動に参加するティーンエイジャーは、2年後まで反社会的行動や犯罪行為に走る可能性が低いことが、UCL(ロンドン大学)とフロリダ大学の研究者による新しい研究で明らかになりました。

Journal of Youth and Adolescence (JOYO)に掲載されたこの査読付き研究では、研究者は、数年にわたってアンケートに記入した米国の25,000人以上のティーンエイジャーのデータを調べました。

学校のクラブ、オーケストラ、合唱団、学校外の芸術クラスへの参加、美術館やコンサートに行ったかどうか、自分で読書をしたかどうかなど、さまざまな要素に基づいて、ティーンエイジャーの芸術活動への総合的な関わりを測定しました。

その結果、これらの活動に参加しているティーンエイジャーほど、反社会的行動(学校での非行、ケンカ、窃盗やドラッグ販売などの犯罪行為など)に関与していると報告する割合が、最初の調査時、1年後、2年後に反社会的行動について再度尋ねた時の両方で低かったことが判明しました。

さらに研究チームは、芸術に親しんでいるティーンエイジャーや若者は、自制心のスコアが高く、反社会的行動を否定的にとらえる傾向があることも明らかにしました。

これらの結果は、若者が反社会的行動や犯罪に巻き込まれる可能性を低くすることが以前からわかっています。

この研究は、全米芸術基金(National Endowment for the Arts)の研究ラボであるEpiArts Labの一部として実施されました。

上席著者のDaisy Fancourt博士(UCL Institute of Epidemiology & Health Care)は話します。

Fancourt博士:過去の研究により、芸術に関わることが10代の精神的健康と幸福に大きな影響を与えることが示されています。
私たちの研究は、芸術と文化が若者にもたらす幅広い利点に関する証拠を追加し、芸術と反社会的行動の有病率の低さの間に正の関係があることを実証しています。
注目すべきは、子供の年齢、性別、民族、社会経済的背景、両親の教育的背景、住んでいる場所、以前の反社会的行動のパターンなどの要因を考慮しても、これらの知見が残っていることです。

主執筆者のジェス・ボーン博士(UCL疫学・ヘルスケア研究所)も話します。

ボーン博士:私たちの芸術・文化活動の定義は、非常に幅広いものでした。学校のクラブでのダンスや演技、読書、映画館や美術館、コンサート、音楽教室に行くこと、その他ティーンエイジャーが定期的に行っている趣味も含まれます。
10代の反社会的行動を減らす方法を見つけることは重要です。なぜなら、こうした行動は定着して大人になっても続き、その人の一生に影響を与える可能性があるからです。
我々の発見は、特にこれらのリソースへのアクセスや資金を制限しているCovid-19パンデミックをきっかけに、すべての若者が芸術や文化活動を利用できるようにすることの重要性を示しています。

研究者達は、参加者が全国的に代表的な2つの米国ベースの縦断的研究、青少年から成人までの健康に関する全国縦断的研究と1988年の全国教育縦断的研究からデータを調べました。

研究チームは、1988年から2002年の間にティーンエイジャーとその親が記入したアンケートを分析しました。

これらの研究開始時の参加者の平均年齢は14〜15歳でした。

あるコホートでは、青少年の約半数が過去12カ月間に反社会的行動や犯罪行為に関与したと報告しています。

参加者が1年間にこれらの行動に関与した回数の平均は1.6回でした。

研究者たちは、芸術への関与が、反社会的行動に対するより少ない肯定的な認識とより良い自己制御スコアと関連していることを発見したが、この研究は観察的であるため、これらの要因が芸術への関与と反社会的行動の間の関連に因果関係があると結論づけることはできませんでした。

それでも、芸術が反社会的行動を減らすメカニズムを考える上で、研究者たちは、芸術への参加によって、共感性の向上、より向社会的な行動、退屈の軽減、自尊心の向上、感情調節の改善などの改善が見られるという先行研究を引用しています。

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