Tweet

Pocket

親が心配する影響はほとんどない「子供の過度なデジタルコンテンツへの接触」

屋外や対面での社会活動が制限され、デジタルエンターテインメントの選択肢が爆発的に増えたため、親は、デジタルテクノロジーへの過度の関与が子どもの精神的健康に影響を及ぼすのではないかと心配しているかもしません。が、最新の研究によると、それは杞憂に終わりそうです。

The new study, which included 430,000 U.K. and U.S. adolescents, investigated the links between social media use and depression, emotional problems, and conduct problems. It also examined the associations between television viewing and suicidality, depression, emotional problems, and conduct problems. Finally, the study explored the association between digital device use and suicidality. 

参照元：https://www.psychologicalscience.org/news/releases/2021-may-digital-technology-engagement.html
– 心理科学協会 Association for Psychological Science. May 4, 2021 –

過去数十年の間にデジタルエンターテインメントの選択肢が爆発的に増え、最近では屋外や対面での社会活動が制限されるようになったため、親は、デジタルテクノロジーへの過度の関与が子どもの精神的健康に長期的な影響を及ぼすのではないかと心配しているかもしれません。

しかし、「Clinical Psychological Science」誌に掲載された新しい研究によると、過去30年間に青少年のテクノロジー利用と精神的健康問題との関連性が高まったことを示す証拠はほとんどありませんでした。

また、私たちが最も心配しているテクノロジー（スマートフォンなど）の有害性が高まっているという指摘を、データは一貫して裏付けるものではありませんでした。

今回の研究では、英国と米国の青少年43万人を対象に、ソーシャルメディアの利用と、うつ病、情緒障害、行動障害との関連性を調査しました。

また、テレビ視聴と自殺傾向、うつ病、情緒的問題、行動問題との関連についても調査しました。

最後に、デジタル機器の使用と自殺傾向との関連性を調べました。

本研究で調べた8つの関連性のうち、時間の経過とともに何らかの変化が見られたのは3つだけでした。

ソーシャルメディアの利用とテレビ視聴は、うつ病との関連性が低くなりました。

一方、ソーシャルメディアと情緒的問題との関連性は、わずかではあるが増加しました。

テクノロジーの利用と行動上の問題や自殺との関連性には、一貫した変化は見られませんでした。

オックスフォード・インターネット・インスティテュートのポスドク研究員で論文の筆頭著者であるMatti Vuorre氏は話します。

「今日のテクノロジーと幸福の関係を理解したいのであれば、まず過去にさかのぼって歴史的なデータを見る必要があります。つまり、テレビの見過ぎで子供が四角い目になるのではないかと親が心配していた頃までさかのぼり、新しいテクノロジーに対する現代の懸念に焦点を合わせる必要があるのです。」

また、本研究では、科学者がテクノロジーの利用と精神的健康との関連性を決定的に判断することを妨げる主な要因も明らかにしました。

オックスフォード・インターネット・インスティテュートの研究ディレクターであり、本研究の上席執筆者であるAndy Przybylski氏は話します。

「青少年の新しいテクノロジーの使用に関するデータが蓄積されれば、それらと精神的健康への影響についての知識がより正確になるでしょう。ソーシャルメディアと青少年のメンタルヘルスとの関連性が高まっている、あるいは低下しているという確固たる結論を出すには早すぎますし、これに基づいて政策や規制を行うには時期尚早です。」

「答えを導き出すためには、科学者とテクノロジー企業の間で、より透明性と信頼性の高いコラボレーションが必要です。データはテクノロジー企業の中に存在しています。科学者は、中立的かつ独立した調査のためにデータにアクセスすることができればよいのです。」

Tweet

Pocket