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新しい「食品冷凍技術」は安全・高品質・低エネルギー消費

新しい食品の冷凍技術は、従来よりも安全で高品質な冷凍食品を作ることができるそうです。
さらに、使用するエネルギーも少なく排出する二酸化炭素の量も少ないという特徴も持っています。

Shifting to a new food freezing method could make for safer and better quality frozen foods while saving energy and reducing carbon emissions,

参照元：https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2021/new-food-freezing-concept-improves-quality-increases-safety-and-cuts-energy-use/
– 米国農務省-農業研究サービス US Department of Agriculture – Agricultural Research Service.  Sept. 2, 2021 –

米国農務省農業研究サービス（ARS）とカリフォルニア大学バークレー校の科学者たちによる新しい研究によると、新しい食品の冷凍方法に移行することで、より安全で高品質な冷凍食品を作ることができるとともに、エネルギーを節約し、二酸化炭素の排出量を削減することができるそうです。

ARSの研究員で食品技術者のクリスティーナ・ビルバオ＝サイネス氏は話します。

「世界中でこの新しい冷凍方法に完全に切り替えれば、エネルギー使用量を年間65億キロワット時も削減でき、発電に伴う二酸化炭素排出量を46億kgも削減できます。」

ビルバオ＝サイネス氏は、アルバニーにあるARSの西部地域研究センター（WRRC）の健康加工食品研究ユニットに所属しています。

ビルバオ＝サイネス氏は続けます。

「食品メーカーがこのコンセプトを採用すれば、現在の冷凍食品製造設備やインフラに大きな変更を加えることなく、これらのコスト削減を実現することができます。」

この新しい冷凍方法は「等方性冷凍」と呼ばれ、水などの液体で完全に満たされた硬質プラスチックや金属製の密閉容器に食品を保存します。

従来の冷凍方法では、食品が空気に触れて32度以下で固まってしまうのに対し、等方性冷凍は食品を氷にすることなく保存することができます。

食品が液体部分に浸かっている限り、食品の品質を脅かす氷の結晶化を防ぐことができるのです。

ビルバオ＝サイネス氏は説明します。

「膨大なエネルギーを消費する食品を完全に凍らせる必要がないため、エネルギーの節約になります。また、氷の結晶化を避けるために急速冷凍などのエネルギーを消費する保冷方法をとる必要もありません。」

アイソコリック冷凍は、従来の冷凍方法では保存が困難だったトマト、スイートチェリー、ジャガイモなどの生鮮食品をより高品質に保存することができます。

また、アイソコア・フリージングでは、加工時に微生物を死滅させることができるというメリットもあります。

この研究の共同リーダーであるWRRCセンター長のTara McHugh氏は話します。

「等方性冷凍は、生産者から食品加工業者、製品製造業者、卸売業者、小売業者まで、食品製造チェーン全体で利用することができます。このプロセスは、製品を購入した後、個人の自宅の冷凍庫でも利用でき、しかも大規模な設備投資を必要としません。この革新的なコンセプトが普及すれば、食品の冷凍保存における次の革命になるかもしれません。」

本プロジェクトの共同リーダーであるカリフォルニア大学バークレー校の生物医学エンジニア、ボリス・ルビンスキー氏は、移植用の組織や臓器を凍結保存するために、等方性凍結法を初めて開発しました。

以来、ARSとカリフォルニア大学バークレー校は、等方性冷凍を食品の保存に応用するための共同特許を申請しています。

研究チームは現在、冷凍食品業界におけるこの技術の最適なアプリケーションを開発しており、特にこの技術を産業レベルにまで拡大することを目指しています。

また、この技術を商業分野に移転するための商業パートナーを探しています。

研究論文の主執筆者の一人であるカリフォルニア大学バークレー校の機械エンジニア、マシュー・パウエル＝パームは、”等温性凍結は、食品業界だけでなく、医学、生物学、さらには宇宙旅行にまで応用できる可能性を秘めた横断的な技術である “と指摘しています。

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