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カジュマル(菩提樹)とハチは、特定のコミュニケーションを取っている
仏教やヒンドゥー教のシンボルとして有名な菩提樹は、人類が家畜化した初期の植物としての顔を持ちます。そして菩提樹が、特定のハチに、特定の信号を送る遺伝子を持つ事が判明しました。菩提樹とハチは頻繁にコミュニケーションを取っていた可能性があります。
言語を話すという事がない彼らは、もしかしたら人間以上にコミュニケーションをとっているかもしれません。
The study, published in the journal Cell, also identifies a sex-determining region in a related fig tree, Ficus hispida. Unlike F. microcarpa, which produces aerial roots and bears male and female flowers on the same tree, F. hispida produces distinct male and female trees and no aerial roots.
参照元:https://blogs.illinois.edu/view/6367/1023624754
気根と言う言葉があります。
地面より出て空気中に根がある状態を指します。
菩提樹の名称で知られているカジュマルの木とハチの関係について、イリノイ大学から面白い研究結果が発表されました。
ベンガルボダイジュのイチジクの木ガジュマルは、枝から発芽し、最終的に土壌に到達するという所謂気根を持つことで有名です。
この木はまた、共進化したハチと独特の関係を持っております、共進化したハチは受粉できる唯一の昆虫です。
イリノイ大学の研究では、ベンガルボダイジュのゲノム内で、異常な気根の発達を促進し、ハチの花粉媒介者に信号を送る能力を高める領域を特定しました。
イリノイ大学の研究では、イチジクの木の性決定領域も特定されています。
気根を生成し、同じ木に雄花と雌花をつけるガジュマルとは異なり、イチジクヒスピダは別個の雄木と雌木を生成し、気根は生成しません。
イリノイ大学の植物生物学教授であるレイ・ミン氏は話します。
「イチジク属の種とそのハチの花粉交配者の進化の歴史を理解することは、さまざまな生息地で大きな果実を生産する能力がほとんどの熱帯林のキーストーン種になるため重要です」
そしてイチジクは、少なくとも1,200種の鳥と哺乳類を維持することが知られています。
イチジクとハチの関係も、興味深い科学的課題を提示します。
ハチの体の形と大きさはイチジクの果実のものと正確に一致しており、イチジクの各種はその特定のハチの花粉媒介者を引き付けるために独特の香水を生成します。
これらの進化の進展をよりよく理解するために、ミン氏と同僚は2つのイチジク種のゲノムを、ガジュマルの木を汚染するハチのゲノムとともに分析しました。
ミン氏は説明します。
「2種のゲノムの配列を確認したところ、ガジュマルの木のゲノムには、気根のないイチジクであるイチジクヒスピダよりも多くの部分的な重複が見つかりました。これらの重複領域はゲノムの約27%を占めています。」
この重複領域は、主に植物の成長を促進するホルモンのクラスであるオーキシンの合成と、輸送に関与する遺伝子の数を増やします。
増やされた領域には、植物の免疫、栄養、および花粉交配者に信号を送る揮発性有機化合物の生成に関与する遺伝子も含まれていました。
ミン氏は続けます。
「気根のオーキシンのレベルは、気根の有無にかかわらず、木の葉よりも5倍高いです。オーキシンレベルの上昇は、気根の生成を引き起こしたようです。複製された領域には、オーキシン産生を加速する光受容体をコードする遺伝子も含まれています。」
ミン氏ら研究チームがイチジクのハチのゲノムを研究し、それを他の関連するハチのゲノムと比較したとき、イチジクの木が生成するのと同じ臭いの化合物を検出する嗅覚受容体の遺伝子を保持し、保存していることを観察しました。
ミン氏ら研究チームはまた、雄植物のみで発現されるY染色体特異的遺伝子をイチジクヒスピダに発見しました。
ミン氏は説明します。
「この遺伝子は雌雄異株のゲノムで2回複製され、植物に遺伝子の3つのコピーを与えました。しかし、1つの植物に雄花と雌花が一緒にあるイチジク種はこの遺伝子のコピーを1つしか持っていませんでした。これは、この遺伝子が性決定に影響を与える支配的な要因であることを強く示唆しています。」


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