
新着記事
犯罪者になりやすい傾向がある「せっかちでリスクに対して強い人」
せっかちでリスクに対して強い人ほど、犯罪者になりやすいようです。
This means that they weigh the costs and benefits of committing a criminal action differently.
参照元:https://socialsciences.ku.dk/news/2022/impatient-and-risk-tolerant-people-more-often-become-criminals/
– コペンハーゲン大学 University of Copenhagen. 16 February 2022 –
犯罪を犯す社会的・経済的インセンティブが他の人よりも強い人がいるということは、広く知られていることです。
しかし、同じインセンティブに直面している人々も、異なる選好を持っているため、異なる選択をすることができます。
つまり、犯罪行為を行う際のコストとベネフィットの重さが異なるのです。
しかし、一般に、犯罪を犯してしまうリスクと人々の選好の関係については、知見が不足しています。
そこで、コペンハーゲン大学経済行動・不平等センターの研究者らは、リスク許容度やせっかちといった性格特性が犯罪者に多く見られるという仮説を検証しました。
Claus Thustrup Kreiner教授は話します。
「認知スキルや社会経済的背景の重要性に加え、犯罪行為に関連する多くの個人的嗜好も調査しました。そして、ある種の嗜好が重要な役割を果たしていることが明らかになりました。」
泥棒はチャンスをつかむ
研究者によれば、犯罪者の多くは、危険を冒すことを厭わないことが重要な特徴であることが判明しています。
Kreiner教授は話します。
「犯罪を犯す傾向は、最もリスクに寛容な人の方が、最もリスクに寛容でない人に比べて2倍高い。」
犯罪行動の予測における個人のリスクテイク意欲の重要性は、犯罪傾向の最も強い予測因子である認知能力の重要性の半分に相当します。
Kreiner教授は話します。
「犯罪の種類別に見ると、窃盗などの財産犯を予測する場合には、リスクを取る意欲が特に重要である。暴力犯罪、薬物犯罪、性犯罪の場合、自制心に問題があることが一般的です。」
若い男性の行動に注目
この研究には、7,000人以上のデンマークの若い男性にオンラインプラットフォームで参加してもらった経済実験のデータも含まれています。
参加者は、参加することで平均約250デンマーククローネ(30ユーロ)の報酬を得ましたが、その金額は、特に実験に対する忍耐力と大きな利益を得る可能性があるリスクを取る意欲に左右されました。
この研究は、人々の経済的成果の違いに対する選好の重要性を検討した他の経済学研究とも一致するものです。
実験から得られたデータは匿名化され、行政データとリンクされました。
行政データには、参加者の社会経済的状況が記述されているほか、犯罪に関する情報も含まれていました。
Kreiner教授は話します。
「15歳から20歳の若い男性の犯罪に注目したのは、他の男女に比べて犯罪が多いグループだからです。」
実験データと行政データの組み合わせは、Kreiner教授と他の研究者にユニークなコントロール変数のセットを与えています。
「学校の成績、居住地域、移民の有無、家族構成、出生順位、親の社会経済的地位、親の犯罪行為、親の離婚や失業などのストレス要因などの情報を集めました。」
処罰か予防か?
刑事司法制度の主な機能のひとつは、犯罪を犯すことを抑止することです。
今回の研究結果は、犯罪を犯す可能性が最も高いのは、まさに取締りの強化や刑の厳格化に最も反応しない人たちであることを示唆しています。
将来の刑罰のリスクは、せっかちでリスクを取ることを厭わない人に対する予防的影響力がはるかに小さいのです。
Kreiner教授は話します。
「我々の研究は、刑罰の強化が犯罪を減らすのに有効であるという経験則が限られている理由を説明するのに役立つかもしれません。」
罰の効果が不十分であることは、犯罪防止に取り組むことの重要性を浮き彫りにしています。
ここで、Claus Thustrup Kreiner教授は、彼らの結果が適切であるとも考えています。
Kreiner教授は話します。
「私たちの研究は、リスク許容度、焦り、利他主義などの選好が犯罪傾向を予測することを明確に示しています。他の研究では、子供や若者のこれらの行動パラメータに影響を与えることが可能であり、これは犯罪行動の発達との関連で非常に重要であることが示唆されています。」
研究内容について
研究「Preferences predict who commits crime among young men」は、2022年2月8日付の米国科学アカデミー紀要に掲載されました。
論文は、コペンハーゲン大学経済学部経済行動・不平等センター(CEBI)に所属するThomas Epper、Ernst Fehr、Kristoffer Balle Hvidberg、Claus Thustrup Kreiner、Søren Leth-Petersen および Gregers Nytoft Rasmussenによって書かれたものです。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!
関連記事
-
差異なく社会に適応している「異性の両親と同性の両親を持つ子どもたち」2022.05.24
-
マッチングサービスに経済学「生徒と学校のマッチングを改善するモデル」2022.05.21
-
食料や土地の変革によって可能性が見えてくる「 世界の食料システムを排出量ゼロ 」2022.05.18
-
人種・民族間での睡眠時間の格差「1日7時間未満睡眠は黒人の間で有意に高い」2022.05.10
-
里親制度の利用が17%減少「子供の虐待を減らすプログラム」2022.05.08
-
啓蒙のつもりが逆効果?「さらなる事故を引き起こす死亡者数の掲示」2022.05.04
-
求められる人物「協力的な人は謙虚さ、自己中心的な人はステータスを示す」2022.04.27
-
準備も計画もしていない「50代以上の大多数の老後の暮らし事情」2022.04.18
新着記事
-
差異なく社会に適応している「異性の両親と同性の両親を持つ子どもたち」2022.05.24社会
-
数週間で心血管疾患リスクを低下「食事摂取を8時間に制限するモデル」2022.05.23健康
-
男子生徒の学校へのモチベーション「スポーツと密接な関係にある」2022.05.22学習
-
マッチングサービスに経済学「生徒と学校のマッチングを改善するモデル」2022.05.21社会
-
時間はかかるが習得率が高い「習得における変動性の役割」2022.05.20学習
-
やりすぎ注意「過度のスポーツトレーニングは気分に悪影響を与える」2022.05.19人体・脳
-
食料や土地の変革によって可能性が見えてくる「 世界の食料システムを排出量ゼロ 」2022.05.18社会
-
ポジティブな感情を強化、ネガティブな感情を保存「睡眠が感情を処理する仕組み」2022.05.17健康
-
人間に新しいことを学ぶ柔軟性と集中力を与える「しまった!という感覚」2022.05.16人体・脳
-
活用方法には注意が必要「ソーシャルメディアの付き合い方とメンタルヘルス」2022.05.15健康
よく読まれている記事
N E W S & P O P U L A R最 新 記 事 & 人 気 記 事
WHAT'S NEW !!
-
差異なく社会に適応している「異性の両親と同性の両親を持つ子どもたち」
【差異なく社会に適応している「異性の両親と同性の両親を持つ子どもたち」】 同性の両親、異性の両親、それぞれの親を持つ子供は差異なく社会に適応している事が示され... -
数週間で心血管疾患リスクを低下「食事摂取を8時間に制限するモデル」
【数週間で心血管疾患リスクを低下「食事摂取を8時間に制限するモデル」】 平日の食事摂取を8時間に制限した所、数週間後に心血管疾患リスクが低下するようです。 Usi... -
男子生徒の学校へのモチベーション「スポーツと密接な関係にある」
【男子生徒の学校へのモチベーション「スポーツと密接な関係にある」】 男子生徒は女子学生より学校への関心が低いようです。 Male students tend to be less intereste... -
マッチングサービスに経済学「生徒と学校のマッチングを改善するモデル」
【マッチングサービスに経済学「生徒と学校のマッチングを改善するモデル」】 多くの学生は居住所そばの小中学校に通いますが、自由に選択できるとしたら混乱になるでし...
-
なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか
【なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、手書きの方が物事をよく覚えることが判明しました。 様々なコンピュ... -
「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測
【「世界最長寿記録を更新し132歳まで生きる人が出現する」ベイズ統計学予測】 ベイズ統計学を用いると、最長寿記録122歳という世界記録はほぼ確実に破られ、125歳から1... -
記憶が脳に保存される新しい理論「MeshCODE理論」が開発される
ケント大学の研究チームは、記憶が脳に保存される新しい理論、MeshCODE理論を発表しました。この理論は、アルツハイマー病などの脳疾患の治療に役立つ可能性があります...
News
- 新着記事 -
Popular
- 人気記事 -
H A P P I N E S S幸 福
人気 (❁´ω`❁)
M E A L食 事
B R A I N脳
人気 (❁´ω`❁)
H E A L T H健 康
人気 (❁´ω`❁)
-
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
人体・脳
寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由
【寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由】 ウィーン医科大学の研究チームが、寒冷化においてヒトとマウスのビタミンAのレベルが上昇する事を発見しました。 ビタミンAは...
-
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力... -
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
人体・脳
寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由
【寒冷散歩が脂肪燃焼を増幅させる理由】 ウィーン医科大学の研究チームが、寒冷化においてヒトとマウスのビタミンAのレベルが上昇する事を発見しました。 ビタミンAは...