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個人が特定される「複数のソーシャルネットワーキングアプリを使用するリスク」
スマートフォンには、電卓からソーシャルネットワーキング(SN)まで様々なアプリがあります。
研究者たちは、複数のSNアプリを使用する事で、個人を特定できる可能性があると述べています。
The time a person spends on different smartphone apps is enough to identify them from a larger group in more than one in three cases say researchers, who warn of the implications for security and privacy.
参照元:https://www.lancaster.ac.uk/news/how-picking-up-your-smartphone-could-reveal-your-identity
– ランカスター大学 Lancaster University. 17 February 2022 –
スマートフォンの様々なアプリを利用することで、3人に1人以上の割合で、より大きなグループからその人を特定することができると研究者は述べ、セキュリティとプライバシーへの影響に警鐘を鳴らしています。
ランカスター大学の心理学者Heather Shaw博士、Paul Taylor教授、Stacey Conchie教授とバース大学のDavid Ellis博士が、780人のスマートフォンデータを分析しました。
彼らの論文は、Psychological Science誌に掲載されています。
彼らは、4,680日分のアプリ使用データを統計モデルに投入しました。
この日数ごとに、780人のユーザーのうちの1人とペアになっており、モデルが人々の日々のアプリ使用パターンを学習するようになっています。
次に研究者らは、匿名かつユーザーとペアになっていない1日分のスマートフォンの利用状況のみを提供された場合、モデルが個人を特定できるかどうかを検証しました。
バース大学のエリス博士は話します。
「私たちのモデルは、1人あたりわずか6日間のアプリ使用データで訓練され、1日の匿名データから正しい人物を3分の1の確率で特定することができました。」
それは大したことではないと思うかもしれませんが、モデルがデータが誰のものであるかについて予測をしたとき、最も可能性の高い候補から最も低い候補までのリストを提供することもできました。
ある日のデータが属する可能性の高い人物トップ10を表示することも可能でした。
約75%の確率で、その上位10人の中に正しいユーザーが含まれていました。
ランカスター大学のテイラー教授は話します。
「現実的には、犯罪者の過去の使用履歴から新しい携帯電話を特定しようとする法執行機関の調査では、約1,000台の携帯電話の候補が10台に絞られ、25%の確率で見落とされる可能性があります。」
その結果、スマートフォンの標準的な行動ログにアクセスできるソフトウェアがあれば、アカウントからログアウトしているときでも、ユーザーの身元について妥当な予測をすることができると、研究者は警告しています。
アプリ内の会話や行動を監視することなく、個人を特定することができるのです。
ランカスター大学のショー博士は話します。
「Facebookが最も多く、電卓アプリが最も少ないなど、アプリケーションの利用行動には、日常的に一貫したパターンがあることがわかりました。これを裏付けるように、同じ人の2日分のスマートフォンデータは、異なる人の2日分のデータよりも、アプリの利用パターンに大きな類似性を示すことも示しました。」
したがって、スマートフォンが自動的に収集することが多いアプリ利用データだけでは、個人を特定できる可能性があることを認識することが重要です。
法執行機関に新たな機会を提供する一方で、この種のデータが悪用された場合、プライバシーに対するリスクも生じます。


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