新着記事
80年生まれは「最初に同棲したパートナーと結婚する可能性が低い」
初めてのパートナーと同棲する確率は、年代によって異なるのでしょうか?
科学者はおよそ3000人のデータ群から統計を導き出し、80年生まれは最初の動静相手と結婚する可能性が低い事などを挙げました。
The youngest cohort was significantly more likely to separate from their partners than to marry them.
参照元:https://www.ucl.ac.uk/news/2022/mar/people-born-80s-not-likely-marry-their-first-cohabiting-partner
– ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン University College London. 31 March 2022 –
この研究は、英国家計パネル調査(BHPS)と社会調査(UKHLS)のデータを用いて行われ、Advances in Life Course Research誌に掲載されました(査読あり)。
調査サンプルは、3つの出生コホートからの3,233人です。
1974-1979年、1980-1984年、1985-1990年の3つの出生コホートから、1991年から2016年の間に観測された、16歳から27歳の3,233人が含まれています。
UCLとセント・アンドリュース大学の研究チームは、70代のコホートでは、最初のパートナーと別れるか留まる(結婚する)確率が半々であることを発見しました。
最も若いコーホートは、パートナーと結婚するよりも別れる確率が著しく高かった。
どのくらい長く一緒にいたかを見ると、最も古い2つのコーホートでは、25%〜27%のカップルが同棲開始から2年以内に別居していました。
この数字は、最も若い世代では43%であり、若い世代では、最初の同棲相手との関係が安定せず、長く続かないことが示唆されます。
全体として、英国の1980年代生まれの成人は、70年代中・後期生まれの成人に比べて、人生の後半に最初のパートナーと同居する傾向があることが示唆された。
著者らは、社会経済的背景や教育水準に関係なく、(結婚ではなく)誰かと一緒に暮らすことが、ほぼ普遍的な最初のパートナーシップの形態になっていることを発見したと述べています。
主執筆者のAlina Pelikh博士(UCLの教育・社会学部、IOE)は話します。
Pelikh博士:私たちの調査結果は、高齢者層と比較して、ミレニアル世代の最初の同棲関係が長く続かない傾向があることを示唆しています。このことは、若者が同棲に抱く意味や、短命に終わりがちなパートナーシップの質について、興味深い問いを投げかけています。
1980年代生まれの若者は、同棲をする理由として、規範的な制約がないこと、利便性、経済的な理由などを挙げており、これらはすべて、この現象の根底にある要因であり、相互に関連し合っている可能性があります。
あるいは、最も若いコーホート(特に若い年齢層)の若年成人は、同棲を独身であることの代替案と考え、結婚や結婚に近い長期同棲を考えるのは、より遅い年齢になってからという可能性もあります。
また、この調査結果は、個人の教育レベルだけでなく、親の背景や社会経済的地位が、英国における若者のパートナーシップの形成に依然として役割を果たしていることを示しています。
1974年から1979年の間に生まれたコホートでは、教育水準と同棲から結婚への移行に正の相関があり、教育がパートナーシップの安定に寄与していることが示唆されています。
一方、1980年代生まれでは、高学歴者ほどパートナーと同居する傾向が強いです。
しかし、教育水準はこれらのパートナーシップの安定性には影響せず、ほぼ例外なく別居に終わっています。
この研究の共著者であるJúlia Mikolai博士(セントアンドリュース大学、ESRC人口変動センター)は説明します。
Mikolai博士:これは、在学中や学位取得後すぐに始まる短期間の恋愛など、新しい行動の出現の兆しである可能性があります。また、進学していない人たちの最初のパートナーシップ形成の延期は、経済的な困難や不確実性の増加の指標となる可能性もあります。
本研究の共著者であるヒル・クル教授(セントアンドリュース大学・ESRC人口変動センター)は続けます。
クル教授:我々の発見は、多くの人が同棲を延期し、最初のパートナーと結婚する可能性が低く、複数のパートナーシップを経験する人が増えているという、ミレニアム世代のパートナーシップ移行が複雑化していることに対するさらなる証拠を提供しています。
著者らは、この論文が27歳以前に初めてパートナーシップを築いた人だけを対象にしているため、この年齢以降にパートナーシップを築いた人が無視できない割合で存在する可能性があることを強調しています。
このことは、最初のパートナーシップの形成率全体に影響を与えるとは考えていないが、27歳以降の最初のパートナーシップがより安定していることが判明すれば、新たな知見が得られるかもしれないとしています。
この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!
関連記事
新着記事
-
男女ともに長生きになる「男女平等」2023.03.07健康
-
他者を犠牲にして利益を取る・利益を度外視して他者への害を取り除く2023.03.06人体・脳
-
「寿命を延ばす」良質な睡眠2023.03.05健康
-
見極める力を養う「チャットボットの精度」2023.03.04技術
-
健康増進と生きがいにつながる「森林浴」2023.03.03健康
-
米国の6人に1人「肥満による死」2023.03.02健康
-
週休4日制で生産を維持する2023.03.01社会
-
オンライン学習で学生に届く教育方法2023.02.28学習
-
学業成績に影響を与える「夜間の睡眠」2023.02.27健康
-
心の豊かさに大きく影響を与える「目的意識を持った10代の若者」2023.02.26健康
よく読まれている記事
N E W S & P O P U L A R最 新 記 事 & 人 気 記 事
WHAT'S NEW !!
-
健康
男女ともに長生きになる「男女平等」
【男女ともに長生きになる「男女平等」】 権利とは人間が作り出した構造ですが、男女平等が進むと男女ともに長生きになるようです。 The first global study to investi... -
人体・脳
他者を犠牲にして利益を取る・利益を度外視して他者への害を取り除く
【他者を犠牲にして利益を取る・利益を度外視して他者への害を取り除く】 他者を犠牲にして自分の利益を選ぶ、自分にとって利益は少ないが他者への害を防ぐ、道徳的なに... -
健康
「寿命を延ばす」良質な睡眠
【「寿命を延ばす」良質な睡眠】 良質な睡眠をとることは、寿命を何年も長くする可能性があります。 Getting good sleep can play a role in supporting your heart and... -
技術
見極める力を養う「チャットボットの精度」
【見極める力を養う「チャットボットの精度」】 ChatGPTをはじめ、チャットボットの精度は人が書いたものかどうかわからない程までの水準になっています。 The most rec...
-
人体・脳
なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか
【なぜタイピングより手書きの方が、記憶に定着するのか】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、手書きの方が物事をよく覚えることが判明しました。 様々なコンピュ... -
社会
どんな曲が好き?「 音楽の好みと性格の関連性は普遍的 」
【どんな曲が好き?「 音楽の好みと性格の関連性は普遍的 」】 激しい音楽を好んで聴く人は、激しい性格の持ち主なのでしょうか?研究者は、音楽の好みと性格の関連性は... -
人体・脳
視覚と意思決定領域の結びつきが強い「鮮明なイメージ能力がある人」
【視覚と意思決定領域の結びつきが強い「鮮明なイメージ能力がある人」】 鮮明にイメージできる人は、視覚ネットワークと意思決定に関連する脳の領域が強く結びついてい...
News
- 新着記事 -
Popular
- 人気記事 -
H A P P I N E S S幸 福
人気 (❁´ω`❁)
M E A L食 事
B R A I N脳
人気 (❁´ω`❁)
H E A L T H健 康
人気 (❁´ω`❁)
-
社会
自制心が健康と若さをもたらす理由
【自制心が健康と若さをもたらす理由】 デューク大学の研究チームは、自制心が心身に及ぼす影響を調査しました。 1000人を出生から45年間に渡って追跡した大規模調査で... -
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力...
-
社会
自制心が健康と若さをもたらす理由
【自制心が健康と若さをもたらす理由】 デューク大学の研究チームは、自制心が心身に及ぼす影響を調査しました。 1000人を出生から45年間に渡って追跡した大規模調査で... -
人体・脳
健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」
【健康な脳を保ち老化を遅らせる「アマゾンの先住民族ツィマネ族の生活習慣」】 ボリビア・アマゾンの先住民族であるツィマネ族が、アメリカやヨーロッパの人々に比べて... -
健康
高強度インターバルトレーニングは、適度な運動よりも心臓を強化する
【心臓を強化する高強度インターバルトレーニング】 ノルウェー科学技術大学の研究によると、トレーニングの強度が、病気の重症度を軽減し、心臓機能を改善し、作業能力...
J O B仕 事
人気 (❁´ω`❁)
-
社会
週休4日制で生産を維持する
-
人体・脳
アイデアや閃きが降りてくる「横断的なコミュニケーション」
-
社会
大災害を読み解く鋭い解決策
-
思考・瞑想
賞や表彰が発明家の創造性を低下させる
-
人体・脳
創造的な人はここが違う!「非創造的なハブを回避し非典型的なアプローチをする」
-
社会
アメリカ陸軍で既に多数の成功を収めている「人々を創造的にするトレーニング」
-
社会
2年は普及しない?「カテゴリーイノベーション戦略」
-
社会
管理者級以上必見「創造性を引き出す同僚間の友情とサポートを育む組織づくり」
-
社会
アイデアを創出する人数「少人数のグループのほうが新しいアイデアが出やすい」
-
健康
散った気を元の集中に戻す「1日最大50%費やす迷いを断つマインドフルネス」
-
社会
移動によるエネルギーが激減「環境に優しく誰でも参加できるオンライン会議」
-
社会
山火事コスト数十億ドルのコスト削減「インドネシアの泥炭地回復」
-
社会
価格末「99円」設定が販売者に不利益を及ぼす驚愕の理由
-
社会
購買意欲を掻き立てる商品提示方法
-
社会
「感情的異質性」がチームの創造性を高める
-
社会
従業員の創造性を高める驚愕の方法「報酬を選択制にする」
-
社会
テクノロジーの力でセレンディピティを生み出す
-
社会
様々なテーマの問題への取り組みにつながる「ダ・ヴィンチ構想」
-
社会
改善が必要な状況に「やめる」という解決策がでない理由
-
社会
空想が苦手な理由と、その修正方法
-
学習
パズル解きの極意、最良の選択より優れた驚愕の方法
-
社会
大麻が独創的で実現不可能なアイデアを創出するという実験結果
-
社会
記憶に残るユーモアを含んだニュース
-
社会
なぜメッセージと画像が一致してない情報は伝わらないのか
-
社会
消費者を購買に結びつける音楽
-
技術
自動化工場などの緊急事態に備えて知識を生かしておく方法
-
社会
「生産性も顧客満足度も向上」プロジェクトに自主性を持たせる
-
人体・脳
人は1日に35,000回の意思決定をしている「意思決定を行うアルゴリズム」
-
社会
他文化と頻繁衝突する文化圏は協力的なゲームが流行?「ゲームからみる文化」
-
社会
「通勤はわるいもの?」モバイルセンシングで仕事の成果と通勤の関連性を解明
-
社会
テクノロジーは労働者の幸福度にどのような影響を及ぼすか
-
社会
雇用の創出ではなく雇用の置換が進む「ロボットなどの作業の自動化」
-
社会
「柔軟で弾力性のある対応が可能」生物系を模倣した多様なサプライチェーン
-
社会
「患者のメンタルヘルスケアを向上させる」患者と心理療法士のマッチング
-
学習
デジタルデバイス用に最適なフォント「AdaptiFont」
T E C H N O L O G Y技 術
人気 (❁´ω`❁)