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600メートルほど高くなった世界の屋根チベット
「世界の屋根」チベットは、最大で600メートルほど高くなったようです。その答えは水中の溶岩の中にありました。
“By looking at older data of Tibet’s emergence and combining it with new geological data from the Indian Ocean, we are pretty certain that there was a major geological change in Tibet about 15-18 million years ago, one that caused the wide area to rise between 300 and 600 meters,” explains Associate Professor Giampiero Iaffaldano, the study’s main author.
参照元:https://www.science.ku.dk/english/press/news/2021/geological-riddle-solved-roof-of-the-world-has-gotten-higher/
– コペンハーゲン大学 University of Copenhagen. 26 May 2021 –
世界で最も標高の高い地域であるチベットが、最近の地質学的な過去において背が高くなったかどうかについては、長い間論争が続いていました。
コペンハーゲン大学が発表した新しい結果によると、「世界の屋根」は最大で600メートルほど高くなったようで、その答えは水中の溶岩の中にありました。
この知見は、地球の進化に新たな光を当てるものです。
チベットが「世界の屋根」と呼ばれるのには理由があります。
平均海抜4,500メートル、世界最高峰のエベレストとK2を擁する広大なヒマラヤ山脈は、地球上のどこよりも高くそびえています。
しかし、チベット高原の高さについては、長年にわたって学術的な論争の対象となってきました。
研究者の中には、この地域は昔から現在の高さだったと考える人もいれば、過去2,000万年から3,000万年の間に高さが増したと考える人もいます。
最近まで、風の中で答えの出ない謎が立ちはだかっていたのです。
コペンハーゲン大学地球科学・自然資源管理学部の研究者は、インド洋の海底の新しい分析と地球の構造プレートの動きの計算によって、この意見の相違に新たな答えを出しました。
この研究の主な著者であるGiampiero Iaffaldano准教授は話します。
「チベットの出現に関する古いデータを調べ、インド洋の新しい地質データと組み合わせることで、約1,500万年前から1,800万年前にチベットで大きな地質学的変化があり、それによって広い範囲が300メートルから600メートル上昇したことは間違いないと考えられます。」
この変化は、現在のインドと中国が正面衝突したことによるものです。
インドはもともともっと南に位置していましたが、インドが乗っている地殻プレートが何百万年もかけて徐々に北上し、中国に近づき、最終的に衝突してチベットができたのです。
山岳地帯で発見された植物の化石や岩石の地球化学的な分析結果から、チベットが2,000〜3,000万年前には現在のような姿になっていたことや、その標高が昔から変わっていないことを確信している科学研究者もいます。
また、インドと中国の衝突が長期化して減速しているのは、チベットが数百万年の間に2キロメートルも上方に飛び出したためだと考える研究者もいました。
しかし、Giampiero Iaffaldano准教授によると、答えはその中間にあるそうです。
Iaffaldano准教授は話します。
「この研究が貢献しているのは、実はこれまでの2つの仮説、異なるデータセット、結論を組み合わせたものです。私が行ったのは、最近になって公開されたインド洋の地質データを使って、インドと中国の衝突の速度を詳しく調べたことです。」
長い時間をかけて、地球内部から海底に熱石などの物質が吐き出されています。
これらは、地球の地殻プレートの動きについて多くのことを教えてくれます。
これらの溶岩には、地球の北極と南極の向きである「磁極」の記録があります。。
地球の歴史の中で何度か極性が逆転しており、北が南になったり、逆になったりしています。
そして、それらがいつ頃起こったのかは、研究者の間ではよく知られています。
そのため、地磁気のタイムスケールに沿って地殻変動プレートの磁化を追跡することで、地球の歴史の中で特定の場所や時間を辿ることができるのです。
Iaffaldano准教授は話します。
「チベットが高くなったかどうかの答えは、このようなデータにあります。また、地磁気のデータからインドと中国の衝突速度を計算することができるなど、非常に有用であることがわかりました。このように、本来は基礎科学研究以外の目的で収集され、一般には公開されていないデータが、今ではどんどん公開され、科学者たちに利用されています。」
「チベットに関するこの新しい知識は、地球の進化をより深く理解するために重要であり、使用された手法は今後の研究に役立つ可能性があります。」
事実
チベット高原は、南北に1,000km、東西に2,500km以上にわたって広がっています。
チベットは、地球の地質学的発展と大陸の移動に関する重要な詳細を明らかにするため、地質学者によって広範囲に研究されています。
地球上には7つの大きな大陸がありますが、それぞれの大陸は常に流動しており、地震なども発生しています。
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