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「幼児期の発達を促す」緑地に触れる機会が多い地域で過ごすこと
緑地に触れる機会の多い地域で幼少期を過ごした子供の発育スコアは、そうでない子供と比べて能力値が高かったようです。
交通機関の大気汚染や騒音が子供の発育に影響を与える可能性があるようです。
New UBC research suggests living in areas with high exposure to greenspace can help set them up for success.
参照元:https://news.ubc.ca/2021/10/21/spending-time-in-nature-promotes-early-childhood-development/
– ブリティッシュ・コロンビア大学 University of British Columbia. Oct 21, 2021 –
あなたの子供が期待される発達のマイルストーンを確実に達成したいですか?
UBCの新しい研究によると、緑地に触れる機会の多い地域に住むことは、子供の成長を成功に導くのに役立つそうです。
この研究では、UBCの森林学部と医学部の研究者が、メトロバンクーバーで2005年から2011年の間に幼稚園に通った27,372人の子供の発育スコアを分析しました。
この研究では、2005年から2011年の間に幼稚園に通っていたメトロバンクーバーの子どもたち27,372人の発達スコアを分析し、それぞれの子どもたちが生まれてから5歳になるまでに住んでいた地域の緑地面積を推定しました。
また、交通関連の大気汚染や地域の騒音のレベルも評価しました。
この結果は、街路樹、公園、コミュニティガーデンなどの自然の緑地が基本的に重要であることを示していると著者は述べています。
UBCの森林・保全科学部門の博士候補であるIngrid Jarvis氏は話します。
「ほとんどの子どもたちは、言語能力、認知能力、社会性などの面で、順調に成長していました。しかし、興味深いのは、植生が多く自然環境が豊かな住宅地に住んでいる子供たちは、緑地が少ない同世代の子供たちに比べて、総合的に良い発達を示したことです。」
研究者によると、この理由は、緑地が大気汚染や騒音の悪影響を軽減する能力を持っているからだそうです。
これらの環境問題は、ストレスの増加、睡眠障害、中枢神経系の損傷などを通じて、子供の健康と発達に悪影響を及ぼすことがわかっています。
Jarvis氏は補足します。
「緑地と子どもの発達を結びつける経路を調査した研究はほとんどなく、今回の研究はカナダで初めてのものだと思います。」
研究者たちは、幼稚園の先生が子供たちに記入した調査票であるEarly Development Instrument (EDI)を用いて、幼児期の発達を評価しました。このツールは、子どもが年齢に応じた発達期待値を満たす能力を測定するものです。
本研究の上席著者でUBC研究員のマチルダ・ヴァン・デン・ボッシュ氏は話します。
「さらなる研究が必要ですが、今回の結果は、住宅地や学校周辺の緑地を増やす都市計画の取り組みが、幼児期の発達に有益であり、生涯にわたる健康上のメリットが期待できることを示唆しています。」
「自然の中で過ごす時間は誰にでもメリットがありますが、子どもたちに良いスタートを切らせたいなら、自然との触れ合いを通して豊かな環境を提供することが大切です。」
「幼い頃から緑地に触れることで、子どもたちの社会的、情緒的、精神的な発達を良好にすることができます。」


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