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「建物から失われてしまう熱を31.4%減らす」後付けの生きた壁
石積みの空洞壁の建物に、緑のシートなどを壁に後付けする事で、その建物から失われる熱量を31.4%も削減することができるようです。
Retrofitting an existing masonry cavity walled building with a green or living wall can reduce the amount of heat lost through its structure by more than 30%
参照元:https://www.plymouth.ac.uk/news/living-walls-can-reduce-heat-lost-from-buildings-by-over-30-study-shows
– プリマス大学 University of Plymouth. 24 November 2021 –




新しい研究によると、既存の石積みの空洞壁の建物に、緑の壁や生きた壁を後付けすることで、その構造から失われる熱量を30%以上減らすことができます。
プリマス大学で行われたこの研究では、キャンパス内にある1970年代以前の建物であるサステナビリティ・ハブを対象に、2つの部分の壁がどれだけ効果的に熱を保持するかを比較しました。
同じ西向きの建物でも、片方の壁には、土や植物を入れるためのポケットを備えた柔軟なフェルト生地のシートで構成された外壁リビングウォールのファサードが取り付けられていました。
5週間の測定の結果、リビングファサードを設置した壁から失われる熱量は、元の構造に比べて31.4%減少しました。
また、新たに覆った部分の日中の気温は、石材が露出している部分よりも安定しており、暖房に必要なエネルギーが少なくて済むことも分かりました。
この研究は、温暖な地域の既存の建物に対するリビングウォールシステムの熱的影響を確認した最初の研究の1つであり、大学のSustainable Earth Instituteの研究者によって行われました。
この研究は、同大学のSustainable Earth Instituteの研究者らが行ったもので、学術誌「Building and Environment」によると、このコンセプトは比較的新しいものですが、生物多様性の向上など多くのメリットがあることがすでに明らかになっています。
しかし、建物は英国の温室効果ガス排出量の17%を直接占めており、また、建物で使用される全エネルギーの60%以上を空間暖房が占めていることから、今回の新しい発見は、英国がネットゼロの約束を達成する上で、大きな変化をもたらす可能性があります。
本研究の筆頭著者である持続可能な建築の研究者、マシュー・フォックス博士は話します。
「英国では、全建築物の約57%が1964年以前に建てられています。最近になって新築建物の熱性能を向上させるために規制が変更されましたが、暖房に最も多くのエネルギーを必要とし、二酸化炭素排出の大きな原因となっているのは既存の建物です。」
「英国が2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにするという目標を達成し、エネルギー価格の上昇による燃料不足の可能性を減らすためには、既存の建物の熱性能を改善することが不可欠です。」
欧州地域開発基金(ERDF)の投資を受け、3年間で260万ポンドのプログラムを実施し、研究と地元企業への支援を通じて低炭素化のソリューションを模索しています。
具体的には、このプロジェクトでは、様々な種類の植物や土壌が提供する熱特性や炭素隔離に関する研究を通じて、持続可能な建築設計における外部リビングウォールの性能と持続可能性を最適化することを目指しています。


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